ホームIMICライブラリMMWR抄訳2009年(Vol.58)最新情報:インフルエンザ活性-アメリカ、2008年・・・
2009/04/17Vol. 58 / No. 14
MMWR58(14):369-374
Update: Influenza Activity - United States, September 28, 2008-April 4, 2009, and Composition of the 2009-10 Influenza Vaccine
アメリカにおける2008-09インフルエンザシーズン開始(2008年9月28日)から2009年4月4日までのインフルエンザ活性をまとめ、 2009-10インフルエンザワクチン株を報告する。この期間中アメリカでは173,397の気道検体が検査され、24,793検体(14.3%)がインフルエンザウイルス陽性であった。このうち16,686検体(67.3%)はインフルエンザA型、8,107検体(32.7%)はインフルエンザB型であり、サブタイプを検討したインフルエンザA型6,735検体のうち6,049検体(89.8%)はA(H1N1)ウイルス、686検体(10.2%)は A(H3N2)ウイルスであった。抗原性はインフルエンザA(H1N1)594株、インフルエンザA(H3N2)88株、インフルエンザB263株で検討した。インフルエンザA(H1N1)およびA(H3N2)ウイルス株の全てが2008-09インフルエンザワクチンのA(H1N1)、A(H3N2)成分 (それぞれA/Brisbane/59/2007、A/Brisbane/10/2007)に関連した。インフルエンザBウイルスは263株中50株 (19.0%)がワクチン株(B/Florida/04/2006)に関連したB/Yamagata/16/88、213株(81.0%)がB /Victoria/02/87に属した。ウイルス分離株の抗ウイルス薬耐性は、インフルエンザA(H1N1)699株中694株(99.3%)がオセルタミビル耐性、全株がザナミビル感受性を示し、インフルエンザA(H3N2)103株とインフルエンザB274株は全てオセルタミビルとザナミビルに感受性を示した。またインフルエンザA(H1N1)3株(0.4%)とA(H3N2)100株全てはアダマンタン系薬剤(アマンタジン、リマンタジン)に耐性を示した。新たなインフルエンザAウイルスとして2009年2月28日に3歳男児がブタインフルエンザA(H1N1)に感染し、アメリカにおける 2008-09インフルエンザシーズン中のブタインフルエンザのヒトへの感染は計3例となった。2009年4月4日の週におけるインフルエンザ活性は、4 州(アラバマ、ニューヨーク、バージニア、ワシントン)で広範囲、18州で地域的、20州で局所的な流行が報告されている。2008-09インフルエンザシーズン中のインフルエンザ様疾患(ILI)による外来受診率は0.9%(2008年10月4日の週)~3.7%(2009年2月14日の週)であり、肺炎およびインフルエンザ関連死亡率は6.1~7.6%と流行閾値(7.8%)以下を維持した。2009年4月4日の週のILIによる外来受診率は1.6% で全国基準値(2.4%)を下回り、肺炎およびインフルエンザ関連死亡率は7.4%であった。2008年10月1日~2009年3月28日のインフルエンザ関連入院率(1万人あたり)は0~4歳、5~17歳、18~49歳、50~64歳、65歳以上でそれぞれ2.8、0.5、0.3、0.4、1.0であった。このシーズン中インフルエンザ関連死亡小児は45例報告された。WHOは2009-10北半球3価インフルエンザワクチンの成分として A/Brisbane/59/2007様(H1N1)、A/Brisbane/10/2007様H3N2、B/Brisbane 60/2008様(B/Victoria系)ウイルスを推奨した。FDAのVaccines and Related Biological Products Advisory Committeeも同じワクチン組成を推奨した。
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