ホームIMICライブラリMMWR抄訳2008年(Vol.57)複数の生の食品によるSalmonella Stai・・・
2008/08/29Vol. 57 / No. 34
MMWR57(34):929-934
Outbreak of SalmonellaSerotype Saintpaul Infections Associated with Multiple Raw Produce Items - United States, 2008
2008 年5月22日、New Mexico Department of Health(NMDOH)からCDCにSalmonellaStaintpaul感染例が報告され、翌週からはさらに広範囲になり、国内43州、ワシントンDCおよびカナダへと拡大し、8月25日現在、計 1,442例の感染が確認されており、少なくとも286例が入院、2例の死亡に関与した可能性がある。このアウトブレイクは4月下旬より発生し、多くは 5~6月に発症、遺伝子パターンはXbaIパターンJN6X01.0048と同定されている。565例の症例調査では、男性52%、白人79%、年齢は1 歳未満~99歳(中央値33歳)であり、20~29歳での発症が最も多く、ニューメキシコ州とテキサス州での発症が多い。テキサス州およびナバホ国での発症が報告されたことを受け、NMDOH、Texas Department of State Health Services(TXDSHS)、ナバホ国、Indian Health Service(IHS)およびCDCによる感染源の調査が開始され、症例対照分析(発症例51、対照例106)では生のトマトとの有意な相関が認められた。6月には多くの州での発症が報告されるようになり、6月20日より行われた症例対照分析(発症例47、対照例36)では生のトマトとハラペーニョ(メキシコ唐辛子)が入ったサルサとの相関を認め、6月24日からの分析(発症例33、対照例62)では市販の缶入りトマトと生のハラペーニョの入ったサルサとの相関、6月26日からの分析(発症例141、対照例281)では、ピコデガヨ、コーントルティア、サルサとの相関、また、6月30日からの分析(発症例19、対照例73)では生のハラペーニョ、7月7日からの分析(発症例4、対照例113)では生のローマトマト、赤タマネギ、シラノ唐辛子、コリアンダー、塩およびライム果汁が入ったグアカモーレ、7月11日からの分析(発症家庭41、対照家庭107)では生のハラペーニョ、生のシラノ唐辛子との相関が認められている。FDAによるトマトの追跡調査は感染源の特定には至らず、ハラペーニョの追跡調査ではメキシコのタマウリパスにある農場Aで採取されたハラペーニョと農場Bが使用している溜池の水の検体から今回のアウトブレイク株が検出された。農場Aでは他にトマトとシラノ唐辛子、農場Bはハラペーニョを栽培しており、同じ工場でアメリカへの輸出のため包装されていた。CDCとFDAは6月3日よりこのアウトブレイクに関する情報を公開し、相関を認める食品の摂取を控えるよう警告している。当初のトマトに関する警告は解除されたが、ハラペニョおよびシラノ唐辛子に関しては依然、継続している。
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