ホームIMICライブラリMMWR抄訳2007年(Vol.56)家禽用ワクチン製造工場の従業員におけるサルモネラ血・・・
2007/08/31Vol. 56 / No. 34
MMWR56(34):877-879
SalmonellaSerotype Enteritidis Infections Among Workers Producing Poultry Vaccine - Maine, November-December 2006
2006年11月15日、Maine Department of Health and Human Services(MDHHS)は家禽用ワクチン製造工場の従業員がサルモネラ症を発症したという報告を受けた。さらに11月25日、同じ工場の他の従業員でサルモネラ症発症が報告されたため、MDHHSはアウトブレイクの調査を開始した。この工場の従業員74名中67名(91%)に対しインタビューを行った結果、21名(31%)が11月8日~12月11日に下痢疾患(軟便・水様便が24時間に3回以上)を発症していたことが明らかになった。この工場では2006年11月9日に製造部発酵室で高濃度のサルモネラ血清型Enteritidis(SE)を含む液体が約1~1.5L流出したため、1人の従業員がモップやSEに有効な消毒薬などを用いて清掃していた。モップは加圧滅菌後30フィートはなれた部屋(room A)に廃棄された。11月15日のサルモネラ発症例はこの従業員であった。また下痢疾患を発症した21名中18名は製造部内のroom Aで仕事をしていた。工場内の環境調査ではサルモネラ属は検出されなかったが、パルスフィールドゲル電気泳動(PFGE)では患者4名より分離されたSE株と流出した貯蔵ワクチン用培養株のファージタイプが一致した。この工場におけるサルモネラ症のアウトブレイクは高濃度のSEを含む液体流出による環境汚染が原因と考えられた。MDHHSはこの工場に対し従業員保護のための感染防御策(手洗い法、保護具の着用など)を改善するよう勧告した。このアウトブレイクより、ヒト病原菌を含む獣医学用生物製剤製造に関連した職業上のリスクが強調される。
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