ホームIMICライブラリMMWR抄訳2007年(Vol.56)サマーキャンプ参加者における胃腸炎-ワイオミング州・・・
2007/04/20Vol. 56 / No. 15
MMWR56(15):368-370
Gastroenteritis Among Attendees at a Summer Camp - Wyoming, June-July 2006
2006年7月、環境保護庁(EPA)は、ワイオミング州の青年サマーキャンプ管理者がキャンプ参加者と職員の胃腸炎症例を届け出た後に、キャンプ場から提出されていた糞便汚染を示す大腸菌陽性の井戸水サンプルについてワイオミング州保健省(WDH)へ報告した。この報告は、WDH、ワイオミング州農務省(WDA)、およびWyoming Department of Environmental Quality(WDEQ)による事後調査について述べ、原因菌としてノロウイルスとカンピロバクター菌を同定している。WDHの職員は7月19日にキャンプ管理者と接触し、翌日にWDA、WDEQおよびWDHは共同でワイオミング州南東地区の山岳地域に位置するキャンプの現地視察を実施した。予備調査は、水系感染のメカニズムを示唆した。最初に発症した参加者は2006年6月25日~7月1日の週にキャンプに参加した小児で、最初のノロウイルス臨床確認症例発症日は2006年7月1日であった。続く3週間に新しいグループがキャンプに到着、週のキャンプ参加人数は29~73人の範囲で参加者の年齢は7~65歳、一般的なグループは成人の職員と男女若年層のキャンプ参加者で構成されていた。症例は、2006年6月1日~7月19日にキャンプ参加者あるいは職員がキャンプに到着または去った後、3回以上の下痢、嘔吐または両方の症状を含み、24時間以上持続した疾病と定義された。277人のキャンプ参加者、職員のうち210人(75.8%)への電話による質問で、遡及的コホート研究が実施された。病気である人とない人両方の年齢中央値は12歳であり、質問を受けた210人のうち合計141(67.1%)症例が確認された。下痢は102人(72.3%)、嘔吐は92人(65.2%)、胃痙攣は89人(63.1%)と報告され、二つの井戸はキャンプに水を供給したが、使用前に処理されていなかった。井戸は深さ30~50フィートで25フィート離れており、1950年代に設置された金属製の地下浄化槽から約120フィートに位置していた。距離に関しては、Wyoming State Engineer’s Officeの井戸と浄化槽の適切な距離に対する指針に適合していたが、最小距離については地域に依存しており、局所的地質を考慮すべきであり、浄化槽建設許可が降りる前に専門的に評価されるべきであることを、指針は強調している。このアウトブレイクの調査者は、多数のキャンプ参加者が浄化システムに負荷を与え過ぎ、井戸水への大量需要を生んだことで地下水位が減少し、浄化システムで井戸を再び満たした水が汚染したと仮定した。公衆衛生当局、医療提供者、水質監督機関は、適切な水や浄化システムを欠く地方のサマーキャンプ場における井戸水の汚染に注意を払う必要がある。
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