ホームIMICライブラリMMWR抄訳2007年(Vol.56)低体温症関連死亡率-モンタナ州、1999~2004・・・
2007/04/20Vol. 56 / No. 15
MMWR56(15):367-368
Hypothermia-Related Mortality - Montana, 1999-2004
中核体温が95°F未満であると定義される低体温症は、過度の冷気に曝露された人に発症する。低体温症は致死性であるが、予防可能である。低体温症による死亡の危険因子は、高齢、薬物乱用、異常な精神状態、また水のような放熱を促す物質との接触の増加が挙げられる。モンタナ州の冬は極度に寒く長く、12月における一日の平均最低気温は約18.0°F(-7.7℃)で、3月までこの水準が持続する。モンタナ州の1年を通じて、一日の平均最低気温は35.9°F(2.2℃)である。1999~2004年、モンタナ州は米国で2番目(アラスカ州に次ぐ)に高い年間平均低体温症関連死亡率(10万人につき1.08の死亡数)であり、米国の総死亡率の約5倍であった。この報告は、2005~2006年のモンタナ州における3件の低体温症関連死亡報告症例について述べ、1999~2004年(年間データが使用可能な最新期間)の州における低体温症関連死亡率について要約し、低体温症の危険因子と予防法について検討している。特に高齢者を対象とした強化教育と介入戦略は、モンタナ州における低体温症による死亡数を減少させると考えられる。症例1では、2005年11月に88歳の男性が農作業に出た後夕食に戻らず、隣人がトレーラーと家畜パネルの間に大腿を挟まれている男性を発見、患者の意識は弱まり、外気は47.0°F(8.3℃)、風力は13mphであった。病院における患者の中核体温は84.7°F(29.3℃)で、入院2日後に死亡した。主要死亡原因は重篤な低体温症で、第二死亡原因は大腿の挫滅外傷と多臓器不全であった。症例2では、2005年11月に49歳の男性が鹿狩りに出て道に迷い、気温は28.0°F~40.0°F(-2.2℃~4.4℃)で、その夜と翌日は雨と雪が降った。患者は翌日夜に車を出てから30時間後発見されたが、衣類は濡れ、何度も転落したと見られた。患者は無反応、チアノーゼを呈し、体は硬直し、呼吸、脈は検知できず、輸送中に死亡した。検死医は、重篤な低体温症による致命的不整脈と認定した。症例3では、2006年2月に43歳の女性が夜間交通量の少ない道路を車で帰宅しようとしていた。その夜の外気は-10.0°Fから- 15.0°F(-23.3℃~-26.1℃)で、翌朝、女性は道路を外れた土手で発見された車中で死亡していた。女性に顕著な外傷はなく、血中アルコール濃度が州法律限度の約2倍で、死因は低体温症であった。1999~2004年、モンタナ州は、2002年と2004年の7人の死亡から2001年の13人の死亡まで、59人の低体温症関連の死亡を報告した。31人(53%)は65歳以上で、20人(34%)は45~64歳であった。
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