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MMWR抄訳

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2006/08/25Vol. 55 / No. 33

MMWR55(33): 909-913
Advanced Cases of Coal Workers’ Pneumoconiosis - Two Counties, Virginia, 2006

炭鉱労働者塵肺症の進行症例-バージニア州2群、2006年

この報告は、南西バージニアのリー郡とワイズ郡で働く炭鉱作業員における進行性塊状線維症(PMF)を含む11件の進行性炭鉱労働者塵肺症(CWP)の新たな確認症例について述べている。塊状線維症は、CWPの体に障害を引き起こし、死に到る可能性のある病型であり、炭塵吸入によって引き起こされる職業性肺疾患である。そのためCWPの進行型が継続的に発生することに対して、炭塵を効果的に抑制し、吸入曝露を減少させる総合的な対策の重要性が強調されている。1969年のFederal Coal Mine Health and Safety Actは、炭鉱労働者の呼吸器の健康状態を守るために、採炭環境における炭塵制限を義務付け、国立労働安全衛生研究所(NIOSH)の管理による地下採掘者のための健康監視プログラムを作成した。炭塵レベル低下後、監視プログラムのデータは、現役炭鉱労働者におけるCWPの羅患率減少を立証したにもかかわらず、1996年から2002年に、急性進行性のCWPクラスターが、米国の特定地域(大部分は東ケンタッキーと西バージニア州)の炭鉱労働者の間で確認された。この報告で述べられた南西バージニアの進行性のCWP進行症例は、NIOSHと鉱山安全衛生庁(MSHA)との協力により、2006年3月に実施された炭鉱労働者健康監視強化プログラム(ECWHSP)を通じて確認されたものである。ECWHSPは、米国の炭鉱労働者に容易にアクセスできる地域で、呼吸器の健康状態を評価するために移動検査装置を使用しており、炭塵関連肺疾患の早期発見のための調査に参加する炭鉱労働者を増加し、予防のための地域を標的にすることを目指している。標準化されたアンケート、肺気量測定法と胸部X線撮影法は、NIOSH規定手順に従って管理され、X線写真は国際労働機関(ILO)塵肺X線写真国際分類に従ってNIOSHの認定者により分類される。2006年3月と5月、バージニア州のリー郡とワイズ郡で現在雇用されている地下炭鉱労働者推定1,055名のうち、合計328名(31%)がECWHSP調査で検査を受けた。その労働者の年齢中央値は47歳(範囲:21~63歳)、地下炭鉱で働いた年数の中央値は23年(範囲:0~41年)であった。合計216名(66%)は炭鉱の採鉱面(塵レベルが通常最大)で20年以上働いていた。合計30名(9%)は、X線で塵肺症が明白に認められた。そのうち進行性塊状線維症と一致する大きな陰影を持つ5名と小さな陰影が融合した6名の合計11名の労働者が進行症例であった。

References

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