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MMWR抄訳

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2005/11/04Vol. 54 / No. 43

MMWR54(43):1100-1104
Global Measles and Rubella Laboratory Network, January 2004-June 2005

世界麻疹および風疹研究所ネットワーク-2004年1月~2005年6月

麻疹は発展途上国における小児期の罹病率および死亡率の主要原因として続いており、多くの国々でそのアウトブレイクは脅威となっている。2000年に麻疹は小児期死亡率の第5位となり、WHOは世界中で約777,000人が麻疹により死亡していると推定した。2001年、WHOとUNICEFは2005年までに麻疹死亡率を50%低下(1999年の死亡率との比較)させ、麻疹根絶目標を掲げた地域での固有の麻疹伝播を遮断しそれを持続させるため、5年計画をたてた。この計画にはルーチンでのワクチン接種強化、小児への2度目の麻疹ワクチン接種の機会の提供、麻疹患者の管理改善、サーベイランスの改善が含まれている。現在までにWHO管轄6地域中4地域で麻疹根絶目標が設定され(アメリカ地域[AMR]:2000年、ヨーロッパ地域[EUR]:2010年、東地中海地域[EMR]:2010年、西太平洋地域[WPR]:2012年)、残り2地域(アフリカ地域[AFR]、東南アジア地域[SEAR])でも麻疹死亡率低下目標の設定に向けた作業が続けられている。また一部の国では先天性風疹症候群(CRS)による症状再燃を減少させるための風疹コントロールプログラムの開発が行われており、AMRは風疹根絶目標、EURはCRS減少目標を設定している。これら疾患のサーベイランスの質を改善しその根絶に向けさらに進展させるためには患者の同定と確認を促進させる必要があることから、WHOは2003年にMeasles and Rubella Laboratory Network(LabNet)を設立した。この報告では、2004年1月-2005年6月のLabNetの活動に関する最新情報と、2005年6月現在の麻疹および風疹ウイルス遺伝子型の地理的分布を紹介する。LabNetでは麻疹および風疹の確認検査法として感度と特異度の高いIgM EIA法を採用している。LabNetには162カ国のIgM検査研究所が参加しており、その数は増え続けている。LabNet参加研究所が受け付けた血清検体数は2004年1月-12月が86,205検体、2005年1月-6月が51,171検体であり、麻疹IgM陽性率はそれぞれ11.7%、13.0%、風疹IgM陽性率は14.0%、14.9%であった。また検体受付から7日以内の結果報告率が80%以上という目標を達成した地域もあった。LabNetには検査技術など研究所の業務を監視するための包括的システムが存在する。またサーベイランス改善のための新たな技術の開発や、現在循環中の麻疹および風疹ウイルス株の遺伝的特徴の分析も行っている。ウイルス学的サーベイランスの結果、西半球では麻疹ウイルス、アメリカでは風疹ウイルスの風土病的伝播が遮断されたというエビデンスが示されているが、これら国々でも疾患輸入の脅威が存在する限りワクチン接種プログラムとともに疫学的・分子学的サーベイランス活動を続けていく必要があると考えられた。

References

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