ホームIMICライブラリMMWR抄訳2005年(Vol.54)メジナ虫症根絶への世界的進歩-2004年1月~20・・・
2005/10/28Vol. 54 / No. 42
MMWR54(42):1075-1077
Progress Toward Global Eradication of Dracunculiasis, January 2004-July 2005
メジナ虫症はメジナ虫の幼虫を取り込んだミジンコなどのカイアシ類に汚染した沼などの水を飲むことから感染する。幼虫は約1年後には体長約1メートルの成虫となり、皮膚(主に下肢)に出現し、二次感染を引き起こす。1986年のメジナ虫症例は20ヶ国にて約350万例であり、1億2,000万人が感染リスク下にある。この年、World Health Assemblyはメジナ虫症(ギアナ虫症)根絶への議決書を採択し、世界的な協力と調査および国、州、地域レベルでの介入の強化が行われた結果、2004年末時点にてアジアでの発生は消失、アフリカでの発生のみとなった。アフリカにおける症例数は2003年:32,193例から2004年:16,026例へと約50%減少し、11ヶ国(ベニン、カメルーン、中央アフリカ共和国、チャド、インド、ケニア、モーリタニア、パキスタン、セネガル、ウガンダ、イエメン)での発生が消失している。ウガンダでは2004年に初めて症例数が0となり、ベニンおよびモーリタニアでは2005年7月現在、それぞれ16ヶ月、13ヶ月間、症例数が0である。発生が確認された村は、1993年:23,735から2003年:4,659、2004年:3,109と減少しており、他国への輸入例も69から24例へと65%減少している。症例の約95%はガーナとスーダンにて発生しており、2004年の症例数はガーナ:7,275例、スーダン:7,266例であり、2005年1-7月、ガーナでは前年同時期(5,953例)に比べ53%減少して2,811例、スーダンでは5,008例(前年同時期:5,232例)である。現時点ではこの疾患に対する有効な治療法やワクチンはなく、目の細かい織布による飲料水の濾過、汚染水の殺虫剤処理、ボーリングまたは手堀井戸によるきれいな水の供給、地域住民へのメジナ虫症に関する教育などの措置により予防することが重要であると考えられた。
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