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MMWR抄訳

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2005/02/25Vol. 54 / No. 7

MMWR54(7):170-173
Tularemia Transmitted by Insect Bites - Wyoming, 2001-2003

昆虫の咬傷により伝播された野兎病-ワイオミング州,2001~2003年

野兎病はFrancisella tularensisにより起こる人畜共通感染症である。ヒトでは主要症状により潰瘍リンパ節型、リンパ節型、腸チフス型、肺炎型など6種類に分類される。死亡率は未治療腸チフス型の場合30―60%である。アメリカにおける野兎病の伝播経路としてはダニによる咬傷や感染動物の取り扱いが最も多いが、汚染食品や飲料水の摂取、昆虫による咬傷を通しても伝播される。2001―2003年、ワイオミング州では野兎病症例の報告が増加した。この報告では、Wyoming Department of Health(WDH)による調査結果を紹介する。2001―2003年、ワイオミング州では11例(確認例:6、可能性例:5)の野兎病症例が報告され、年平均発生数は3.7例であった。一方1990―2000年の報告症例数は10例(確認例:7、可能性例:3)で、年平均発生数は0.9例であった。2001―2003年に報告された11例のうち9例(82%)は男性で、死亡例はいなかった。感染源は7例(64%)が昆虫の咬傷(6例はメクラアブや他のウマバエ、1例はノミ・ハエ)、1例が感染ウサギへの曝露、1例が感染ヒツジへの曝露である可能性が高く、2例は不明であった。患者数の増加は、ワイオミング州南西部で発生したウサギにおける野兎病のアウトブレイクと地理的・時期的に関連した。野兎病のタイムリーな診断と適切な予防法に関する情報提供を行うため、医療提供者と公衆衛生局は野兎病の地域的な疫学の知識、特に伝播様式と臨床症状に関する知識を持つ必要がある。

References

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