ホームIMICライブラリMMWR抄訳2004年(Vol.53)50歳以上の糖尿病症例および非糖尿病症例における視・・・
2004/11/19Vol. 53 / No. 45
MMWR53(45):1069-1071
Prevalence of Visual Impairment and Selected Eye Diseases Among Persons Aged 50 Years With and Without Diabetes - United States, 2002
アメリカでは40歳以上の成人の約340万人が視覚障害および失明を患い、その原因として糖尿病性網膜症と年齢関連性眼疾患(白内障、黄斑変性症、緑内障)が挙げられている。CDCは2002年のNational Health Interview Survey(NHIS)データから糖尿病とこれらの眼疾患との関連性を分析した。医師等からの糖尿病診断歴のある回答者のうち、眼鏡やコンタクトレンズ装着時の視力トラブルがあると回答した症例を視覚障害者とし、白内障、黄斑変性症および緑内障は医師等から診断されたことのある症例とした。その結果、50歳以上の糖尿病症例における視覚障害発症率は23.5%、非糖尿病症例では12.4%、糖尿病性網膜症の発症率は10.2%であった。糖尿病症例および非糖尿病症例における白内障、黄斑変性症、緑内障発症率はそれぞれ31.8%vs21.1%、2.8%vs2.9%、8.0%vs4.3%であった。糖尿病症例では視覚障害は男性に比し女性(28.5%vs19.2%)、高学歴者に比し低学歴(高卒以下)(30.5%vs20.9%)にて高値を示した。非糖尿病症例では65歳以上の高齢者(16.1%vs9.2%)、男性に比し女性(13.6%vs10.9%)、非ラテン系白人に比し他民族(14.1%vs12.0%)、高学歴者に比し低学歴(18.0%vs11.0%)にて高値であった。また、白内障は糖尿病症例では65歳以上の高齢者(50.3%vs16.1%)、男性に比し女性(37.3%vs26.7%)、他民族に比し非ラテン系白人(34.8%vs24.1%)にて高値を示した。緑内障は65歳以上の高齢者(11.7%vs4.9%)、非ラテン系白人に比し他民族(11.4%vs6.8%)にて高値を示し、黄斑変性症は65歳以上の高齢者(4.7%vs1.1%)、他民族に比し非ラテン系白人(3.2%vs1.4%)、高学歴者に比し低学歴(3.3%vs1.7%)にて高値を示した。非糖尿病症例と比較した糖尿病による視覚障害、白内障および緑内障発症率のオッズ比は人口統計学的特性による補正後、それぞれ2.1、2.1、1.9であり、黄斑変性症はオッズ比1.0と有意差を認めなかった。糖尿病症例の定期的な眼検査受診率は1995年58.9%、2001年65.9%と増加しているが、2010年の目標値75%には達しておらず、今後とも糖尿病症例に対して眼検査の重要性を喚起し、受診を推奨していく方針である。
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