ホームIMICライブラリMMWR抄訳2004年(Vol.53)メジナ虫症の世界的根絶への進歩,2002~2003・・・
2004/09/24Vol. 53 / No. 37
MMWR53(37):871-872
Progress Toward Global Eradication of Dracunculiasis, 2002-2003
メジナ虫症はDracunculus medinensisによる寄生虫感染症であり、寄生虫幼態を有するミジンコを含む池水の飲用から感染する。感染から約1年後に成虫(約1m)となり、皮下組織に移行して主に下肢部に寄生する。メジナ虫症により重症二次性細菌感染症を来す場合が多く、現在有効な治療法やワクチンはない。1986年にWorld Health Assemblyがメジナ虫症根絶を標榜した時点では、世界20ヶ国にて約350万人が罹患し、約1,200万人に感染の危険性があった。2003年末には年間発症率は99%以上減少し、メジナ虫症が風土病であった8ヶ国(カメルーン、中央アフリカ共和国、チャド、インド、ケニア、パキスタン、セネガル、イエメン)では無発症、5ヶ国(ベニン、コートジボワール、エチオピア、モーリタニア、ウガンダ)では年間100例未満となった。2002―2003年、全世界におけるメジナ虫症患者は41%減少し(54,683から32,193例)、1例以上の発症を認めた村は26%減少した(6,255から4,659村)。これらの症例はスーダンとガーナで89%を占めていた(それぞれ63、26%)。国外への感染輸出例143例のうち、ガーナからの輸出例は58例を占めた(以下スーダン40例、マリ23例、ニジェール/トーゴ各8例、ナイジェリア4例、コートジボワール2例)。スーダンでは2002年41,493例(4,333村)、2003年20,299例(3,407村)へと減少し、北部では土着例は認めず、南部からの輸入例であった(289例)。ガーナでは2002年5,611例から2003年7,879例へ増加したが、この増加は輸入例や予想外の発生、発症地域への不適切な介入によるものであった。また、ナイジェリアおよびトーゴにおける土着例はそれぞれ3,820例から1,459例、1,502例から669例へと減少し、封じ込み率は66%から74%、62%から74%へとそれぞれ増加している。ニジェールとマリではデータセキュリティーの不備から遊牧民に対する介入が遅れ、それぞれ4%減少(861例から829例)、20%増加(248例から293例)となっている。
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