ホームIMICライブラリMMWR抄訳2003年(Vol.52)メジナ虫症の世界的根絶への進歩、2003年1~6月
2003/09/19Vol. 52 / No. 37
MMWR52(37) : 882-883
Progress Toward Global Eradication of Dracunculiasis, January-June 2003
メジナ虫症はDracunculus medinensisによる寄生虫感染症であり、寄生虫幼態を有するミジンコを含む池水の飲用から感染する。感染から約1年後に成虫(約1m)となり、皮下組織に移行して主に下肢部に寄生する。メジナ虫症により重症二次性細菌感染症を来す場合が多く、現在有効な治療法やワクチンはない。1986年にWorld Health Assemblyがメジナ虫症根絶を標榜した時点では、世界20ヶ国にて約350万人が罹患し、約1,200万人に感染の危険性があった。2002年末には年間発症率は98%以上減少し、メジナ虫症が風土病であったカメルーン、チャド、インド、ケニア、パキスタン、セネガル、イエメンでは無発症、中央アフリカ共和国、エチオピア、モーリタニア、ウガンダでは年間100例未満となった。2002年、アフリカ12ヶ国6,255村から報告されたメジナ虫症患者は54,648例で、うちスーダンが4,233村(68%)、41,493例(76%)を占めた。2003年1-6月には15,688例[うちスーダン8,477例(54%)、ガーナ5,436例(35%)]報告されているが、2002年1-6月の23,116例[うちスーダン16,871例(73%)、ガーナ3,115例(13%)]に比べ減少している。西アフリカではガーナでの発症が最も多く、スーダン以外の発症例の75%を占め、北部にて多く発症している。他の10ヶ国での発生は減少傾向にあり、減少率はナイジェリア44%、ベニン60%、ブルキナファソ63%、コートジボワール76%であった。国外への感染輸出例はスーダンから18例、ガーナ14例、トーゴ4例、ニジェール4例、マリとナイジェリアからそれぞれ1例報告されている。スーダンのメジナ虫症の根絶プログラム(DEP)は約6,000村に介入しているが、2001-2年に介入した3,613村における発症率は53%減少した(45,761例から21,321例)。
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