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MMWR抄訳

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2003/06/13Vol. 52 / No. 23

MMWR52(23) : 537-540
Multistate Outbreak of Monkeypox - Illinois, Indiana, and Wisconsin, 2003

多州にわたるサル痘の大発生-イリノイ,インディアナ,ウィスコンシン州,2003年

サル痘は天然痘ウイルスに類似したオルトポックスウイルスに属し、7-17日間の潜伏期間後、発熱、頭痛、背部痛、疲労感などの兆候を呈し、斑紋、丘疹、小胞、膿疱、痂皮を発症する。リンパ節腫脹を特徴とし、死亡率は1-10%と低い。ペット哺乳類との接触による感染が主であるが、ヒトからヒトへの感染の可能性もある。1970年、コンゴ民主共和国で初めてヒトでの感染が確認され、今回、アメリカでの感染例が初めて報告された。2003年6月10日現在、イリノイ、インディアナ、ウィスコンシン州にて発生したサル痘53例について調査が行われている。53例中男性は29例(性別不明2)、年齢中央値は26(4-53)歳(年齢不明14)、入院例は14例(10歳未満の脳炎小児を含む)であった。うち30例の臨床データによると最初の1例は5月15日に発症した。またほとんどの症例が丘疹の発現と同時またはそれに先行して発熱(22例、73%)、呼吸器症状(16例、64%)、リンパ節腫脹(14例、47%)、咽喉炎(10例、33%)を呈した。発疹は急速に小胞形成、膿疱形成、臍形陥凹、痂皮形成に進行、発現部位は手掌、足底、四肢に初発し、頭部、体幹部、四肢に広がる症例が多く認められ、全例とも動物と接触していた(プレーリードッグ51、ガンビアネズミ1、ウサギ1)。4月にガーナから輸入されたガンビアネズミをテキサス州の業者が購入し、プレーリードッグを販売しているイリノイ州のペットショップに流通させたことが感染源であると考えられている。ウサギはプレーリードックと同じ動物病院で診察を受けていた。6月9日、イリノイ、インディアナ、ウィスコンシン州の10症例から得た検体をCDCが検査したところ、9例の皮膚病変部位のDNA配列がサル痘特異的なものであることが判明、また同様のDNA配列がプレーリードッグのリンパ系組織からも検出された。予期せぬ高熱、発疹、リンパ腺腫脹を示す症例に対しては輸入ペットとの接触を確認し、サル痘が疑われる場合は二次感染の予防措置を取るべきである。

References

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