ホームIMICライブラリMMWR抄訳2003年(Vol.52)最新情報:重症急性呼吸器症候群(SARS)-アメリ・・・
2003/05/09Vol. 52 / No. 18
MMWR52(18) : 411- 413
Update: Severe Acute Respiratory Syndrome - United States, 2003
CDCはWHOとともに重症急性呼吸器症候群(SARS)について調査を続けている。2002年11月1日-2003年5月7日、WHOにはアメリカを含む29ヶ国から6,903例のSARS患者が報告され、うち495例が死亡した(死亡率7.2%)。アメリカのSARS患者に関する情報を更新する。5月7日現在、アメリカでは38州から328例のSARS患者が報告されている。うち265例(81%)は疑い例、63例(19%)は可能性例(肺炎や急性呼吸窮迫症候群を有するより重度の疾患)に分類された。可能性例63例中42例(67%)は入院し、3例(5%)は機械換気が必要であった。アメリカではSARS関連死は報告されていない。SARS関連コロナウイルス(SARS-CoV)感染を確認するための検査は69例で行われ、6例(可能性例)が陽性であった。これら6例は以前の報告例であり、新たなSARS-CoV確認例はいなかった。63例(疑い例:49、可能性例:14)は陰性で、うち1例(2%)はSARS患者を治療した医療従事者、1例(2%)は家族がSARS患者と接触しており、残る61例(97%)は発症前10日間にSARS関連地域への渡航歴があった。渡航先は36例(59%)が中国本土、19例(31%)が香港、5例(8%)がシンガポール、3例(5%)がハノイ、7例(12%)がトロントで、8例(13%)は発症前10日間に2ヶ所以上のSARS関連地域を訪れていた。前回の更新以降、アメリカにおけるSARSの疫学的な変化はほとんどみられていない。現在、アメリカおよび世界各地におけるSARSの疫学的特徴の確認を優先事項として回復期血清の収集と検査を実施中である。
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