ホームIMICライブラリMMWR抄訳2002年(Vol.51)ポリオ根絶への進行状況-エジプト,2001年
2002/04/12Vol. 51 / No. 14
MMWR51(14) : 303-305,2002
Progress Toward Poliomyelitis Eradication - Egypt, 2001
1997年から2001年のエジプトにおけるポリオ根絶への進行状況を報告する。エジプトでは、1968年以降経口ポリオウイルスワクチン(OPV)3回以上の接種による乳児のルーチンワクチン接種達成率が着実に増加している。2001年のルーチン接種達成率は全国的には95%以上であり、245地区中5地区でのみ90%未満であった。ポリオ確定例数は、1996年の100例から2001年には5例に減少した。エジプトでは2型ポリオウイルスは1994年の検出が最後であり、2000年には1型と3型、2001年には1型のみが分離された。1999から2001年にウイルス学的にポリオと確認された18例の年齢は、7か月から19か月であった。2000年7月、Ministry of Health and Population(MOHP)は野生型ポリオウイルスの存在に関する環境調査を含む追加AFPサーベイランスを開始した。上エジプトの7 governorates内で10か所のサンプリング地が設定された。2000年9月から2001年12月に検討した194サンプル中64(33%)サンプルから1型ポリオウイルスが検出された。これら全分離ウイルスについて部分的ゲノム塩基配列決定を行った結果、廃水サンプル由来のウイルスは麻痺症例由来の1型ポリオウイルスと密接に関連していることが明らかになった。また遺伝学的データは、1型ポリオウイルスのある遺伝子型が6年以上エジプトに存在し続けていることを示した。エジプトでは長期間ポリオ根絶のための努力が行われているにもかかわらず野生型ポリオウイルスの伝播が続いていることから、サーベイランスとワクチン接種活動を改善する必要があると考える。
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