ホームIMICライブラリMMWR抄訳2022年(Vol.71)ソーシャルネットワークの集まりの参加者におけるSA・・・
2022/02/18Vol. 71 / No. 7
MMWR71(7):238-242
Multistate Outbreak of SARS-CoV-2 B.1.1.529 (Omicron) Variant Infections Among Persons in a Social Network Attending a Convention — New York City, November 18–December 20, 2021
2021年12月2日に、ミネソタ州保健局(MDH)は、ミネソタ州居住者でシーケンスにより確認されたSARS-CoV-2 B.1.1.529(オミクロン)変異株が原因のCOVID-19症例(患者A)についてCDCに通知した。患者Aは、オミクロン変異株によるCOVID-19感染の州で特定された最初の症例で、アメリカでも最も早期に特定された1例であった。患者Aは、2021年11月19日~21日にニューヨーク州ニューヨーク市での大規模な屋内集会に参加していた。この集会にはアメリカの52の管轄区域と国外30カ国から約53,000名の参加者があり、患者Aは5日間で29名の仲間と濃厚接触していた。集会では、参加者に対し1回以上のCOVID-19ワクチン接種をしていることを求め、屋内でのマスク着用が強化された。11月22日、濃厚接触者たちはSARS-CoV-2への曝露について患者Aから直接かつ迅速に知らされ、検疫または隔離されている数日間にわたり検査を受けた。この濃厚接触者グループでのオミクロン変異株感染を疫学的に特徴付け、二次的な家庭内感染の程度を特定するため、集会でのSARS-CoV-2感染に関する大規模調査の一環として、12月中にCDC、MDH、それぞれの州および地方の保健部門による調査も実施された。患者A(インデックス患者)と29名の濃厚接触者を含む30名の大会参加者のうち、23名がインタビュー調査を受けた。23名は全員、ワクチン完全接種をしており、そのうち11名(48%)がブースター接種も受けていた。23名全員が検査を受け、16名でSARS-CoV-2検査結果が陽性であった(発病率70%)。集会前にブースター接種を受けた参加者での検査結果陽性(11名中6名)はブースター接種未接種の参加者での陽性(12名中10名)と比べ少なかった。集会時に20名(87%)はマスクを「常時」着用し、3名(13%)は「時々」着用していた(食事や写真を撮るときはほとんど外していた)。参加者は、カラオケ、屋内での食事、バーやクラブに行くなどの大会外の活動に参加していた。宿泊施設Aに滞在した14名中9名が陽性であり、他の宿泊施設に滞在した9名中7名が陽性であった。集会前に海外旅行をした参加者はいなかった。陽性者16名には合計20名の家庭内接触者がおり、そのうち18名は曝露後に検査を受け、6名がSARS-CoV-2陽性であったが、陽性者の入院や死亡はなかった。このクラスター以外で確認された集会関連感染は限定的であった。SARS-CoV-2 B.1.617.2(デルタ)株とオミクロン株の両方の症例を含む大規模調査では、オミクロン株の全例がこの集団に関連していた。今回の調査データは、オミクロン株および他のSARS-CoV-2変異株の感染を制限し、重症化を予防するために、早期の通知と他の多彩な予防策とともにCOVID-19ブースター接種の重要性を強調している。
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