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MMWR抄訳

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2020/07/17Vol. 69 / No. 28

MMWR69(28):930-932
Absence of Apparent Transmission of SARS-CoV-2 from Two Stylists After Exposure at a Hair Salon with a Universal Face Covering Policy — Springfield, Missouri, May 2020

一般的なフェイスカバー着用の対策をしている美容院での暴露後における2名のスタイリストからSARS-CoV-2の明らかな感染なし ― ミズーリ州スプリングフィールド、2020年5月

2020年5月12日(day0)、ミズーリ州スプリングフィールドの美容室Aの美容師(スタイリストA)が呼吸器症状を発症し、新型コロナウイルス感染症の原因ウイルスであるSARS-CoV-2検査の陽性結果を受け取ったday8まで対顧客の仕事を継続していた。スタイリストAから感染した2人目の美容師(スタイリストB)は2020年5月15日(day3)に呼吸器症状を発症し、SARS-CoV-2の検査を受けたday8まで美容室Aにて対顧客で働き、day10に陽性が判明した。この2名は、発症してから仕事を中止するまで計139名の顧客に直接サービスを提供していたが、市の条例と美容室Aの方針に従って、スタイリストと顧客はともにお互いに接触している間はフェイスカバーを着用していた。139名の顧客は平均年齢52歳(21~93歳)、男性が79名(56.8%)、インタビュー調査した104名のうち、102名(98.1%)は美容室滞在中ずっとフェイスカバーを着用し、2名(1.9%)はある一定の時間着用していた。49名(47.1%)が布製フェイスカバー、48名(46.1%)がサージカルマスク、5名(4.8%)がN95マスクを着用していた。また、101名(97.1%)が美容師はずっとフェイスカバーを着用していたと回答し、3名(2.9%)がわからないと回答、美容師のフェイスカバーの種類についての回答は、布製フェイスカバーが39名(37.5%)、サージカルマスクが25名(24.0%)、種類はわからないが35名(33.7%)、無回答が5(4.8%)であった。美容室以外でスタイリストA、Bと濃厚接触した6名のうち、スタイリストAと接触した4名(夫、娘、義理の息子と息子のルームメイト)はPCR検査の結果、SARS-CoV-2陽性と判明し、スタイリストBと接触した2名は発症しなかった。美容室Aの他のスタイリストは隔離され、14日間の経過観察を受けたが、発症例はなく、美容室Aは3日間休業し、汚染された場所の消毒が行われた。顧客139名および二次接触者に発症は確認されず、市および美容室のフェイスカバー着用方針が感染の拡大を防いだと考えられ、マスクの着用は一般市民における感染拡大を緩和する可能性が示唆された。

References

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