ホームIMICライブラリMMWR抄訳2016年(Vol.65)エボラウイルスへの曝露のリスクがある人のモニタリン・・・
2016/12/16Vol. 65 / No. 49
MMWR65(49):1401-1404
Monitoring of Persons with Risk for Exposure to Ebola Virus — United States, November 3, 2014–December 27, 2015
2014年11月3日~2015年12月27日の間、CDCはアメリカにおいてエボラ(Ebola)ウイルスへの曝露の可能性のある人の移動およびモニタリングに関するガイダンスを実施し、モニタリングは2015年12月に終了した。CDCが2015年12月下旬にギニア(旅行者のモニタリングが推奨された最後の国)からの旅行者のモニタリングのためにガイダンスを改変後、CDCによる管轄区の報告の収集は行われていない。今回、ガイダンスが実施されていた期間において、Ebolaウイルスへの曝露リスクのある人に対するモニタリングについてまとめた。CDCはモニタリングおよび移動の制限の指標の目的で、リスクレベルを3段階:「低リスク(リスク0ではない)」、「リスクあり」、「高リスク」に分類した。モニタリング(能動的または直接的能動的モニタリング)の完遂は、21日間のモニタリング期間中に対象者との接触の間隔が48時間を超えない場合と定義した。50州、2つの地方管轄区、8つの準州および自由連合国を含む60の管轄区において、合計で29,789人がモニタリング対象であった。全体の97%は低リスクの旅行者で、1.5%はアメリカで患者のケアを提供した低リスクの医療関係者、1.6%は高リスクまたはリスクのある旅行者であった。99%超が48時間を超えて追跡を喪失することなく、21日間のモニタリングを完遂した。報告された週あたりでは、中央値で1680人(範囲551~2719人)がモニタリングの対象となり、対象者の約半数(53%)は5つの管轄区(ニューヨーク市、メリーランド州、ジョージア州、ペンシルバニア州、バージニア州)でモニタリングされた。「低リスク」および「リスクあり」のカテゴリーで症状があった796例のうち、104例(13%)でモニタリング期間中にEbolaウイルスに対する試験を実施したが、陽性者は認めなかった。高リスクの対象者では、Ebolaに適合する症状の報告はなかった。この重大な公衆衛生の対応は、国際的な公衆衛生の緊急事態に対する反応の一部として、アメリカにおける強固な社会基盤および地方、州、地域の保健機関の持続的なモニタリング能力を証明している。
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