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MMWR抄訳

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2016/09/23Vol. 65 / No. 37

MMWR65(37):1008-1014
Update: Influenza Activity — United States and Worldwide, May 22–September 10, 2016

最新情報:インフルエンザ活性 ― アメリカおよび全世界、2016年5月22日~9月10日

2016年522日~910日におけるインフルエンザ活性の最新の状況について報告する。同期間、アメリカ国内のWHO共同研究室にて呼吸器検体5,365検体が検査され、817検体が季節性インフルエンザ陽性[A型:458検体(56.1)B型:359検体(43.9)]であった。A型のうち448検体の亜型は、A(H3N2) 377検体(84.2)A(H1N1)pdm0971検体(15.8)であった。B型のうち249検体の系統は、B/Yamagata172検体(69.1)B/Victoria77検体(30.9)であった。同期間、National Respiratory and Enteric Virus Surveillance Systemの参画検査室では110,230検体を検査し、2,126検体(1.9)が陽性[A型:763検体(35.9)B型:1,363検体(64.1)]であった。インフルエンザ様疾患(ILI)サーベイランスネットワークによれば、ILIによる医療機関外来受診率は全国基準値(2.1)を下回り0.7%~1.2%と例年通り低レベルで推移した。肺炎およびインフルエンザ関連死亡率は流行閾値を下回り(5.0%~6.3%および4.9%~6.4)、小児の死亡例は5(A型:2例、B型:3)であった。新奇インフルエンザA型のヒトへの感染は20例が報告され、全例が発症前にブタとの接触歴があった。2例のH1N2vはミネソタ州(4)およびウィスコンシン州(6)から報告された。18例のH3N2v感染は8月にミシガン州(12)およびオハイオ州(6)から報告され、アメリカ国内では2016年に入り初めての報告であった。同期間、南半球温帯地域では典型的な季節性パターンを示すインフルエンザ活性が認められた。オーストラリアでは6月半ば~8月にピークとなり、A(H3N2)が優勢であった。ニュージーランドでは活性は低かった。アフリカ南部では6月半ばまでB型が、次いでA(H3N2)が優勢となった。南アメリカの温帯地域では5月から活性化し、チリでは期間中活性が継続、アルゼンチン、パラグアイおよびウルグアイでは6月のピークの後、低下した。アルゼンチン、チリ、パラグアイではA(H1N1)pdm09B型よりも多く、ウルグアイではA(H1N1)pdm09のみが報告された。ヨーロッパ、北アメリカおよびアジアの温帯地域では活性は低く、A(H1N1)pdm09A(H3N2)およびB型が報告された。熱帯では、活性レベルや優勢型は国ごとに相違があった。同期間、WHOが報告した鳥インフルエンザのヒト感染の検査室確定例は34例であり、エジプトにてA(5N1)4例、中国にてA(H7N9)28例、A(H5N6)およびA(H9N2)が各1例、計30例が報告された。CDCがアメリカおよび全世界で検出された504検体について抗原性および遺伝子型の解析を行った結果、A(H1N1)pdm09134検体はA/California/7/2009と、B/Victoria系統の135検体はB/Brisbane/60/2008と、B/Yamagata系統の101検体はB/Phuket/3073/2013と、全て2016-17年北半球インフルエンザワクチン成分と抗原的に類似した。薬剤感受性検査では、A(H1N1)pdm09141検体中2検体(1.4)がオセルタミビルおよびパラミビルに耐性を示した。ザナミビルは137検体全てが感受性であった。A(H3N2)117検体およびB203検体は全てオセルタミビル、パラミビル、ザナミビルに感受性であった。両型ともにアダマンタンに対する高レベルの耐性が持続していた。

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