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MMWR抄訳

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2016/09/09Vol. 65 / No. 35

MMWR65(35):934-938
Cessation of Trivalent Oral Poliovirus Vaccine and Introduction of Inactivated Poliovirus Vaccine — Worldwide, 2016

三価経口ポリオウイルスワクチンの中止と不活化ポリオウイルスワクチンの導入 ― 全世界、2016年

ポリオウイルス感染症根絶のための1988年の世界保健総会決議以降、野生型ポリオウイルス(WPV)3つの型の伝染は急減している。WPV2型は1999年以来検出されず、20159月に根絶が宣言された。WPV3型は201211月以来検出されていないので、WPV1型のみが未だに伝播している可能性ある。この顕著な進展は経口ポリオウイルスワクチン(OPV)のうち、主に1型、2型、3型の弱毒化生ウイルスを含む三価OPV(tOPV)の広範囲な使用により達成され、1960年代の初頭以降のポリオ予防のための取り組みの中心となってきた。一方、OPVの弱毒化ポリオウイルスは複製中に遺伝子変化し、低ワクチン接種率の地域では、WPVによる疾患と区別できない麻痺性ポリオを引き起こすワクチン由来ポリオウイルス(VDPV)をもたらす。20061月~20165月の間に検出された伝播性VDPV(cVDPV)が原因の721例のポリオ症例間では、2cVDPV(cVDPV2)>94%を占めた。VDPVが原因のポリオのリスクを排除するには、すべてのOPV使用を停止が必要であるため、OPVの使用中止の第一段階として、tOPVから1型および3型弱毒化ウイルスのみを含有する二価ワクチン(bOPV)への置換が世界中で同時に2016418日~51日に計画された。その結果、2OPVはすべての予防接種活動から除去された。また、tOPVからbOPVへの切り替えの補完として小児の免疫化スケジュールに導入された1回以上の注射型三価不活化ポリオウイルスワクチン(IPV)は、cVDPV2アウトブレイクのリスクを軽減し、cVDPV2への反応を促進する。2015年の免疫スケジュールにおいてOPVを使用していた155の国および地域のすべてで、20165月中旬までにtOPVの使用の中止が報告された。2016年、831日現在、WHO加盟国194カ国のうち173カ国(89)で、IPVを免疫化スケジュールに加えた。しかし、20カ国ではIPVが適切な供給量になるまで導入が遅れており、さらに、既にIPVを導入している29カ国では、2017年末に次のIPV供給を受け取る前に全国的なIPV在庫切れが予測されている。同様の事情から、カーボベルデはIPVの導入を2017年まで延期した。IPV不足への対応として、世界ポリオ根絶推進活動(GPEI)は、限られたIPV供給の優先順位を設定し、現在、土着のWPV伝染が進行しているアフガニスタン、ナイジェリア、パキスタンを最優先国としている。tOPV使用の中止はポリオ根絶の世界的目標の画期的出来事であるが、ポリオウイルスの注意深い監視およびポリオアウトブレイクへの迅速かつ積極的な反応が、ポリオのない世界の実現のために必要とされている。

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