ホームIMICライブラリMMWR抄訳2016年(Vol.65)ヒトパピローマウイルスに関連するがん ― アメリカ・・・
2016/07/08Vol. 65 / No. 26
MMWR65(26):661-666
Human Papillomavirus–Associated Cancers — United States, 2008–2012
CDCの National Program of Cancer RegistriesとNCIのSurveillance, Epidemiology, and End Results programのデータから、2008~2012年におけるヒトパピローマウイルス(HPV)に関連する子宮頸がん、外陰がん、膣がん、陰茎がん、口腔咽頭がん、肛門がんおよび直腸がんの発症率について分析した。その結果、HPV関連がんの年平均診断数は38,793例(10万人あたり11.7)であり、男女別では男性:15,793例(9.7)、女性:23,000例(13.5)、がん種別では子宮頸がん:11,771例(7.4)、外陰扁平上皮がん(SCC):802例(0.4)、膣SCC:1,168例(0.8)、陰茎SCC:1,168(0.8)、口腔咽頭SCC:15,738例(男性:12,638、女性:3,100)、肛門SCC:5,010例(男性:1,750、女性:3,260)、直腸SCC:750例(男性:237例、女性:513例)であった。口腔咽頭SCCの発症は男性:7.6、女性:1.7と相違を認めたが、肛門および直腸SCCの発症率は男女同等であった(男性:1.8、0.3、女性:1.1、0.2)。子宮頸がんの発症率は白人(7.1)に比べ黒人(9.2)、非スパニッシュ系(7.1)に比べスパニッシュ系(9.7)にて高く、陰茎SCCも同様の傾向を認めた。州別の発症率はユタ州:7.5~ケンタッキー州:14.7であり、平均値(11.7)を超える州は南部に多く、子宮頸がんはプエルトリコにて11.7と高値であった。また、38,793例のうち、HPVに起因すると推定される症例は30,700例(79%)であり、24,600例(うち子宮頸がん7,800例)はHPV16または18によるものであり、2価、4価および9価HPVワクチンにより予防可能であり、HPV31/33/45/52/58による3,800例(うち子宮頸がん1,700例)は9価ワクチンにより予防可能であった。 以上、HPV関連がんはワクチン接種により予防可能であり、人口集団ベースのがん発生状況をモニターし、適切なワクチンを提供することが重要と考える。
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