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MMWR抄訳

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2011/06/03Vol. 60 / No. 21

MMWR60(21):705-712
Update: Influenza Activity - United States, 2010-11 Season, and Composition of the 2011-12 Influenza Vaccine

最新情報:インフルエンザ活性-アメリカ、2010-11シーズン、および2011-12年インフルエンザワクチンの組成

アメリカにおける2010-11インフルエンザシーズン(2010年10月3日~2011年5月21日)のインフルエンザ活性の概要と、北半球の2010-11年インフルエンザワクチンの組成を報告する。この期間中アメリカでは246,128検体が検査され、54,226検体(22%)がインフルエンザウイルス陽性、このうち40,282検体(74%)がインフルエンザA型、13,944検体(26%)がインフルエンザB型であった。サブタイプを検討したインフルエンザA型28,545株のうち17,599株(62%)がA(H3N2)ウイルス、10,946株(38%)が2009年A(H1N1)ウイルスであった。2010-11シーズンには、3州で新規インフルエンザAウイルスであるswine-origin influenza A(H3N2)のヒト感染例5例が報告された。2例は入院したが、5例全例が回復した。2010年10月1日以降に分離されたインフルエンザウイルス2,494株について抗原性を検討した結果、2009年A(H1N1)613株中612株(99.8%)、A(H3N2)1,139株中1,103株(96.8%)、インフルエンザB742株のうちB/Victoria系に属する699株(94%)中698株(99.9%)は、それぞれ北半球2010-11年インフルエンザワクチン製剤の2009年A(H1N1)成分(A/California/7/2009)、A(H3N2)成分(A/Perth/16/2009)、B成分(B/Brisbane/60/2008)と関連していた。抗ウイルス薬耐性については5,758株で評価し、オセルタミビルに対する耐性率は2009年A(H1N1)株が0.9%、A(H3N2)株が0.2%、インフルエンザB株が0%であり、ザナミビルに対する耐性菌はなかった。2009年A(H1N1)ウイルスとA(H3N2)ウイルスでは、アダマンタン系薬剤(アマンタジン、リマンタジン)に対する高レベルの耐性が持続していた。FDAはアメリカにおける2011-12年3価インフルエンザワクチン製剤の成分として、A/California/7/2009様(H1N1)、A/Perth/16/2009様(H3N2)、B/Brisbane/60/2008様ウイルスを推奨した。この成分は、2010-11年インフルエンザワクチン製剤および南半球の2011年インフルエンザワクチン製剤と同じである。2010-11シーズン中のインフルエンザ様疾患(ILI)による外来受診率は、2010年12月25日の週から2011年3月19日の週まで全国基準値(2.5%)を超え、ピークは2011年2月19日の週の4.6%であった。ピークの時期と最高値はパンデミック前の2シーズンと同様であった(2月中旬以降、3.5~6.0%)。2009年パンデミックでは10月後半にピークがみられた(7.7%)。インフルエンザ活性の地理的分布は2011年2月26日の週がピークであり、44州が広範囲、5州が地域的なインフルエンザ活性を報告した。Emerging Infections Program(EIP)10サイトと2009-10インフルエンザシーズンに追加された6サイトから成るサーベイランスネットワーク(FluSurv-NET)の報告によると、2010年10月1日~2011年4月30日の累積インフルエンザ関連入院率(10万人あたり)は0~4歳43.8、5~17歳8.5、18~49歳10.7、50~64歳21.7、65歳以上62.5であった。EIPデータのみの場合には、それぞれ36.5、7.6、9.8、20.3、62.1であった(過去3シーズン:それぞれ34.6~67.3、5.8~25.2、3.6~24.4、4.8~32.1、13.5~75.1)。2010-11シーズンにおける肺炎およびインフルエンザ関連死亡率は13週連続(2011年1月29日~4月23日)で流行閾値よりも高く、ピークは2011年2月12日の週の8.9%であった(過去3シーズンの流行閾値以上であった週の数:1~11週、ピーク値8.0~9.1%)。検査確定インフルエンザ関連死小児は105例(平均7.1歳、中央値5.8歳)報告された(2009-10年パンデミックシーズン:348例、2008-09シーズン67例、2007-08シーズン88例)。40例はインフルエンザB、27例は2009年A(H1N1)、18例はA(H3N2)、20例はサブタイプ不明のインフルエンザAウイルスが関与していた。

References

  • Brammer L, Blanton L, Epperson S, et al. Surveillance for influenza during the 2009 influenza A (H1N1) pandemic-United States, April 2009-March 2010. Clin Infect Dis 2011;52(Suppl 1):S27-35.
  • CDC. Prevention and control of influenza with vaccines: recommendations of the Advisory Committee on Immunization Practices (ACIP). MMWR 2010;59(No. RR-8).
  • CDC. Influenza prevention: information for travelers. Atlanta, GA: US Department of Health and Human Services, CDC; 2011. Available at <http://www.cdc.gov/flu/travelers/travelersfacts.htm>. Accessed May 26, 2011.
  • CDC. Antiviral agents for the treatment and chemoprophylaxis of influenza: recommendations of the Advisory Committee on Immunization Practices (ACIP). MMWR 2011;60(No. RR-1).

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