一般財団法人 国際医学情報センター 信頼できる医学・薬学・医療情報を適切に提供することによって健康社会に貢献します。

一般財団法人 国際医学情報センター

IMICライブラリ IMIC Library

ホームIMICライブラリMMWR抄訳2009年(Vol.58)コカインの使用による無顆粒球症-アメリカ国内4州、・・・

MMWR抄訳

rss

2009/12/18Vol. 58 / No. 49

MMWR58(49):1381-1385
Agranulocytosis Associated with Cocaine Use - Four States, March 2008--November 2009

コカインの使用による無顆粒球症-アメリカ国内4州、2008年3月~2009年11月

2008 年4月、ニューメキシコ州にある臨床委託研究所よりNew Mexico Department of Health(NMDOH)に最近2ヶ月の間に原因不明の無顆粒球症が集団発症しているとの報告があった。これを受けてNMDOHは調査を開始、2008 年4月~2009年11月の間にコカインの使用による無顆粒球症11例確認された。この調査中、2008年4月、カナダBritish Columbia and Albertaの公衆衛生所から、主に獣医が使用する抗寄生虫薬であり、無顆粒球症を誘発することが知られているlevamisoleが、無顆粒球症を来したコカイン使用者の臨床検体および薬物の吸入器から検出されたとの報告があった。また、2009年4~11月、ワシントン州シアトルの公衆衛生所がコカイン使用歴のある無顆粒球症例10例を確認、ニューメキシコ州の症例と合わせた21例のうち、5例の臨床検体を検査した結果、4例にて levamisoleが検出された。2009年7月のDrug Enforcement Administration(DEA)によると、押収されたコカインの69%にlevamisoleが添加物として含まれていることから、これらの症例はコカインに含まれるlevamisoleにより無顆粒球症を来したものと考えられた。21例は男性:8、女性:13、年齢は42(24~58)歳、白人:5、黒人:3、アメリカンインディアン/アラスカ原住民:5、ラテン系:3、不明:5であり、使用されたコカインは粉末、クラック両方が使用されていた。ニューメキシコ州では、患者の死亡後に採取された血液検体において、GC/MS法によりlevamisoleが検出されたが、levamisoleの半減期が5時間と短く、48時間後には血中および尿中にて検出不能となるため、他の症例での確認は行われていない。ワシントン州では2009年4月、 Public Health-Seattle & King County(PHSKC)はカナダの報告を受けて医師らに警告を出しており、Washington State Department of Healthは計10例のコカインによる無顆粒球症例を確認した。CDCはこの件に関して全国的な調査を開始しており、12月15日現在、8州が参加に同意している。

References

  • Thompson JS, Herbick JM, Klassen LW, et al. Studies on levamisole-induced agranulocytosis. Blood 1980;56:388-96.
  • Lintemoot J. ToxTalk. Levamisole: an unusual finding in a cocaine related fatality. Mesa, AZ: Society of Forensic Toxicologists; 2005. Available at <http://www.cal-tox.org/downloads/monographs/levamisole.pdf>. Accessed December 15, 2009.
  • Fucci N. Unusual adulterants in cocaine seized on Italian clandestine market. Forensic Sci Int 2007;172:2,3.
  • Morley SR, Forest AR, Galloway JH. Levamisole as a contaminant in illicit cocaine. Proceedings of the International Association of Forensic Toxicologists (TIAFT) 44th International Meeting; Ljubljana, Slovenia; 2006. Available at <http://www.tiaft2006.org/proceedings/pdf/p-p-06.pdf>. Accessed December 15, 2009
  • Kouassi E, Caillé G, Léry L, Larivière L, Vézina M. Novel assay and pharmacokinetics of levamisole and p-hydroxylevamisole in human plasma and urine. Biopharm Drug Dispos 1986;7:71-89.
  • Zhu NY, LeGatt DF, Turner AR. Agranulocytosis after consumption of cocaine adulterated with levamisole [Clinical Observation]. Ann Intern Med 2009;150:287-9.
  • Strom BL, Carson JL, Schinnar R, et al. Descriptive epidemiology of agranulocytosis. Arch Intern Med 1992;152:1475-80.
  • Ibáñez L, Vidal X, Ballarín E, Laport JR. Population-based drug-induced agranulocytosis. Arch Intern Med 2005;165:869-74.
  • Sterk CE, Theall KP, Elifson KW. Health care utilization among drug-using and non-drug-using women. J Urban Health 2002;79:586-99.

ページトップへ

一般財団法人 国際医学情報センター

〒160-0016 
東京都新宿区信濃町35番地 信濃町煉瓦館
TEL:03-5361-7080 (総務課)

WEBからのお問い合わせ

財団や各種サービスについてのお問い合わせ、お見積もりのご依頼、
サービスへのお申し込みはこちらをご覧ください。

お問い合わせ