ホームIMICライブラリMMWR抄訳2009年(Vol.58)食物由来疾患のアウトブレイクのサーベイランス-アメ・・・
2009/06/12Vol. 58 / No. 22
MMWR58(22):609-615
Surveillance for Foodborne Disease Outbreaks - United States, 2006
アメリカにおいて食物由来疾患は重大な健康上の負担である。これら疾患の多くは予防可能であり、アウトブレイクの分析はその制御法の確定に有用である。 CDCはFoodborne Disease Outbreak Surveillance System(FBDSS)を通じて全ての州および準州における食物由来疾患アウトブレイク(FBDOs)のデータを収集している。この報告は、2006 年に報告されたFBDOsに関する疫学データをまとめたものである。2006年にFBDOsは48州から1,270件報告され、27,634例が発症し、 11例が死亡した。このうち884件(70%)、22,510例(81%)では単一の病因物質が確定あるいは疑われた。各州および準州で報告されたアウトブレイクの件数は0~76件であった(発生率中央値:人口10万人あたり0.21件)。単一の病因物質が確定した621件、18,111例では、343 件、11,981例(それぞれ全体の55、66%)はウイルス、217件、5,782例(35、32%)は細菌、52件、219例(8、1%)は化学物質、9件、129例(1、1%)は寄生虫が原因であった。これら病因確定FBDOsではノロウイルスによる疾患の頻度が最も高く(337件、11,879 例)、次が Salmonella(112件、3,252例)であった。死亡した11例中10例は細菌感染 (Escherichia coliO157:H7:6例、Listeria monocytogenes:2例、Salmonella血清型Enteritidis:1 例、Clostridium botulinum:1例)、1例は化学物質(マッシュルーム毒素)が原因であった。また単一の食材を原因としたアウトブレイク 243件、6,395例における原因食材は、アウトブレイク件数では魚(47件)、家禽肉(35件)、牛肉(25件)が多く、症例数では家禽肉 (1,355例)、葉が食用の野菜(1,081例)、果物/木の実(1,021例)が多かった。病因物質と食材の組み合わせは、Clostridium perfringensと家禽肉(902例)、Salmonellaと果物/木の実(776 例)、ノロウイルスと葉が食用の野菜(657例)が多かった。これらの情報は、農場から食卓までの連続した流れに沿った特定の食物における特異的な病原体をターゲットとした制御戦略の計画やレストラン従業員および一般市民への適切な食物取扱い方法の支援を行う上で有用と考える。
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