ホームIMICライブラリMMWR抄訳2004年(Vol.53)ポリオ根絶への進歩-インド,2003年
2004/03/26Vol. 53 / No. 11
MMWR53(11):238-241
Progress Toward Poliomyelitis Eradication - India, 2003
インドにおけるポリオウィルスの循環は2001年までにウッタルプラデシとピハールの2州に限定され、全国での発症例数はわずか268例であった。しかし2002年にポリオ症例は再び増加し、全国で1,600例が確認された。[うち1,363例(85%)は上記2州]。2003年の急性弛緩性麻痺(AFP)サーベイランスには248の医療機関が参加、2000年以降WHOの基準(15歳未満の小児10万人あたりの非ポリオAFP率1以上、AFP症例の80%以上からの便検体を採取)を満たしていたが、2003年には7つの州(インド全人口の約1%)で非ポリオAFP率が1未満となり、11州(全人口の約35%)にて便検体採取率が70―80%となった。2003年における野生株ポリオウィルス(WPV)症例は225例と2002年の16,000例に比べ大きく減少し、203例(90%)はWPV1型(P1)、22例(10%)はWPV3型(P3)であった。ウッタルプラデシ州では1,242例(2002年)から88例(2003年)、ビハール州では121例から18例、西ビハール州では49例から28例に減少したが、2年以上ポリオ症例の発生を認めていなかった南部の州にて新たな発生を認めており(カルナータカ州36、アンドラプラデシ州21、タミルナードゥ州2例)、全国的には587地域のうち88地域(15%)で発生が認められた[2002年:159地域(27%)]。ワクチン接種状況は、2002年1歳未満の小児約68%が3回以上の経口ポリオウイルスワクチン(OPV)の接種を受けているが、接種率はビハール州21%、マドヤプラデシ州99%、ウッタルプラデシ41%と地域差が認められた。2002―2003年には2回の全国接種日(NIDs)は、6,000―7,000万人の小児を対象に行われた。3回以上のOPV接種小児(6―59ヶ月齢)における非ポリオAFP発症率は20%から6%に低下したが、一方でカルナータカ州では23%以上、アンドラプラデシ州では10%と増加した。
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