ホームIMICライブラリMMWR抄訳2004年(Vol.53)妊娠中に西ナイルウイルスに感染した母親から出生した・・・
2004/02/27Vol. 53 / No. 7
MMWR53(7):154―157
Interim Guidelines for the Evaluation of Infants Born to Mothers Infected with West Nile Virus During Pregnancy
2002年、妊娠27週に西ナイルウイルス(WNV)脳炎を発症した妊婦が満期産に出産した新生児にて、脈絡網膜炎、大脳組織嚢胞破壊および先天性WNV感染症が認められた。CDCが’02年にWNV感染妊婦から出生した新生児を調査した結果、他の3例はいずれも満期自然出産、WNV感染検査陰性であった。CDCは2003年のWNV感染妊婦約70例の出産データを収集し、12月2日、WNV感染妊婦から出生した新生児の評価ガイドライン作成のため会議を開催した。このガイドラインでは、WNV感染症に対する明確な治療法が確立していないため、無症候性の妊婦に対するスクリーニング検査の実施は推奨されておらず、髄膜炎、脳炎および急性弛緩性麻痺を発症した妊婦に対しWNV抗体血清検査を行い、陽性の場合は地域または州保健局への報告を義務付けている。妊娠中にWNV感染が確診された場合、発症から2―4週以内に胎児超音波検査により胎児の組織的異常の有無を確認し、羊水、絨毛および胎児血清WNV感染検査を行い、流産や中絶した場合も胎盤、臍帯血にてWNV感染検査を行うよう勧告している。妊娠期間中に感染が確認または感染が疑われる胎児が出生した場合は、身体検査、神経異常、肝腫脹、脾腫、皮膚損傷、難聴検査等の他、血清IgM、IgG抗体検査を行い、異常が認められる場合は頭部CT、眼科検査、血液検査、CSF中IgM抗体検査など、さらに詳細な検査を実施するよう勧告している。
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