一般財団法人 国際医学情報センター 信頼できる医学・薬学・医療情報を適切に提供することによって健康社会に貢献します。

一般財団法人 国際医学情報センター

IMICライブラリ IMIC Library

ホームIMICライブラリMMWR抄訳2010年(Vol.59)最新情報:インフルエンザ活性-アメリカ、2009年・・・

MMWR抄訳

rss

2010/01/22Vol. 59 / No. 2

MMWR59(2): 38-43
Update: Influenza Activity - United States, August 30, 2009-January 9, 2010

最新情報:インフルエンザ活性-アメリカ、2009年8月30日~2010年1月9日

2009 年パンデミックインフルエンザA(H1N1)ウイルス(2009H1N1)の発現と拡大は、2009年の夏から秋にかけてアメリカに異常なインフルエンザ活性をもたらした。この報告は、アメリカにおける2009年8月30日~2010年1月9日のインフルエンザ活性をまとめたものである。この期間中アメリカでは310,151の気道検体が検査され、81,179検体(26.2%)がインフルエンザウイルス陽性であった。このうち80,951検体 (99.7%)はインフルエンザA型、228検体(0.3%)はインフルエンザB型であった。サブタイプを検討したインフルエンザAウイルス61,726 株のうち61,322株(99.4%)は2009H1N1ウイルスであり、季節性インフルエンザA(H1)は29株(<0.1%)、インフルエンザ A(H3)ウイルスは52株(<0.1%)のみであった。抗原性に関しては、2009H1N1の944株中942株(99.8%)がWHOにより選択された2009H1N1ワクチンウイルスA/California/7/2009(H1N1)参照株に関連していた。季節性インフルエンザA(H1N1)1株は2009-10北半球インフルエンザワクチンのA(H1N1)成分(A/Brisbane/59/2007)、インフルエンザA(H3N2)7株は WHOが推奨した2010南半球インフルエンザワクチンのA(H3N2)成分(A/Perth/16/2009)に関連していた。インフルエンザBウイルス6株はB/Victoria系統に属し、2009-10北半球インフルエンザワクチン成分(B/Brisbane/60/2008)に関連していた。抗ウイルス薬耐性については、2009年9月1日以降オセルタミビル耐性2009H1N1が42株CDCに報告された。この期間中のインフルエンザ活性は 2009年10月24日の週に最高となり、50州中49州が広範囲な活性を報告した。2010年1月9日の週にはインフルエンザ活性はかなり低下し、広範囲な活性を報告した地域はなかった。インフルエンザ様疾患(ILI)による外来受診率は2009年10月24日の週に7.7%とシーズン中最高となり、 11月~12月中は全国基準値(2.3%)以上であったが、2010年1月9日の週には1.9%に低下した。Emerging Infections Program(EIP)10サイトおよびEIP新規6サイトの報告によるインフルエンザ関連入院率は、0~4歳がそれぞれ5.9、9.7、5~17歳が 2.5、3.6、18~49歳が2.2、1.7、50~64歳が2.9、1.8、65歳以上が2.4、1.7であった。肺炎およびインフルエンザ関連死亡率は2009年11月21日の週が8.1%と最高であり、2009年10月3日の週から12月12日の週まで11週連続して流行閾値(7.6%)を上回った(1月9日の週: 7.3%)。またこの期間中の2009H1N1感染症による死亡率は0~4歳が0.31、5~18歳が0.26、19~24歳が0.38、25~49歳が 0.60、50~64歳が1.03、65歳以上が0.65であった。65歳未満群のインフルエンザ関連入院率と死亡率は最近のインフルエンザシーズンに比べてかなり高かった。インフルエンザ関連死小児は8月30日以降236例報告され、このうち195例(83%)は2009H1N1ウイルス感染例であった。以上の疫学的データは、生後6ヶ月以上の全ての人々への1価インフルエンザA(H1N1)2009ワクチン接種というCDCの勧告を支持する。

References

  • CDC. Swine influenza A (H1N1) infection in two children-southern California, March-April 2009. MMWR 2009;58:400-2.
  • CDC. Update: influenza activity-United States, August 30-October 31, 2009. MMWR 2009;58:1236-41.
  • Miller MA, Viboud C, Balinska M, Simonsen L. The signature features of influenza pandemics-implications for policy. N Eng J Med 2009;360:2595-8.
  • CDC. Use of influenza A (H1N1) 2009 monovalent vaccine-recommendations of the Advisory Committee on Immunization Practices (ACIP), 2009. MMWR 2009;58(No. RR-10).

ページトップへ

一般財団法人 国際医学情報センター

〒160-0016 
東京都新宿区信濃町35番地 信濃町煉瓦館
TEL:03-5361-7080 (総務課)

WEBからのお問い合わせ

財団や各種サービスについてのお問い合わせ、お見積もりのご依頼、
サービスへのお申し込みはこちらをご覧ください。

お問い合わせ