ホームIMICライブラリMMWR抄訳2014年(Vol.63)侵襲性細菌性ワクチン接種により予防可能な疾患の世界・・・
2014/12/12Vol. 63 / No. 49
MMWR63(49):1159-1162
Global Invasive Bacterial Vaccine-Preventable Diseases Surveillance — 2008–2014
肺炎球菌、髄膜炎菌およびインフルエンザ菌感染による髄膜炎および肺炎は世界的に小児の死亡率および罹患率の主な原因であり、これらの感染症を予防するワクチンが使用されている。2007年以降、WHOは小児期の予防接種プログラムへPCV(肺炎球菌結合型ワクチン)の導入を推奨しており、2008年、WHOに加盟する36カ国における91のセンチネル病院にて、侵襲性細菌性ワクチン予防可能疾患(IB-VPD)に関するサーベイランスネットワークを開始した。2008~2012年、WHOはデータの収集および分析を行うネットワークの強化および拡大を実施、協力機関とともに技術的支援や実験室設備を整備、ジョンズホプキンス大学とCDCはプロトコールおよび分析法を開発、さらにWHOはGavi(ワクチンと予防接種のための世界同盟)対象国への資金援助を開始した。2012年までにネットワークは58カ国の150カ所に拡大したが、地区によるデータの質や一貫性に差を認め、これを是正するためWHO Strategic Advisory Group of Experts on Immunizationによるモニタリングが強化された。2014年7月までに57カ国、130カ所が2013年のデータを報告、うちGavi対象国は38カ国、63カ所であり、これら38カ国では9カ国(24%)にPCVが導入されていなかった。2009~2013年、入院小児例94,871例がサーベイランスに参加、2013年は574例にて3種類のうち少なくとも1種類のワクチンにより予防可能な病原菌が検出された。髄膜炎511例では69%が肺炎球菌、17%がインフルエンザ菌、14%が髄膜炎菌に感染、肺炎または敗血症63例では83%が肺炎球菌、17%がインフルエンザ菌に感染していた。IB-VPDサーベイランスによる臨床データの収集および分析は予防接種の導入の判断に有用であり、導入による影響のモニタリングが可能となる。
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