ホームIMICライブラリMMWR抄訳2014年(Vol.63)B型肝炎ウイルス慢性感染者の早期発見と医療機関の紹・・・
2014/05/09Vol. 63 / No. 18
MMWR63(18):399-401
Early Identification and Linkage to Care of Persons with Chronic Hepatitis B Virus Infection — Three U.S. Sites, 2012–2014
アメリカにおけるB型肝炎ウイルス(HBV)慢性感染者は推計80~140万人で、その約70%はアジア、アフリカなどのHBV常在国[HBV表面抗原(HBsAg)陽性率2%以上]で出生している。感染者のほとんどは出生時あるいは幼少時に感染し、肝硬変や肝臓癌を発症するまで無症候のままであるため、CDCはこれらの国々で出生した全ての人に対し、HBsAg検査と医療機関の受診を勧告している。2012年、CDCはこの勧告を実施する9プログラムに対し資金提供を行った。本報告はそのうち3拠点についてまとめたものである。ニューヨーク市ではAfrican Services Committee (ASC)において、1,732名(出生地アフリカ:54%、アジア:23%、ラテンアメリカおよびカリブ海諸国:23%)にHBsAg検査を実施、145名(8.4%)が陽性であった。陽性率は西アフリカで出生した880名で11.4%と最も高かった。陽性者のうち131名(90%)が結果を通知され、120名(83%)はカウンセリングを、123名(85%)は医療機関の紹介を受け、81名(56%)は初回診療を受けた。ミネソタ州ミネアポリス・セントポールでは、Minnesota Department of Public Health Refugee Servicesにより移民1,800名(うち84%がミャンマーおよびソマリア移民)にHBsAg検査を実施、117名(6.5%)が陽性であった。そのうち111名(95%)は検査結果の通知とカウンセリングを受け、医療機関の紹介を受けた106名(91%)全員が受診した。カリフォルニア大学サンディエゴ校にて実施されたHBsAg検査では、1,195名中48名(4.0%)が陽性であった。検査対象者の出生国は31カ国に上ったが、検査を受けた人の67%、HBsAg陽性者の88%はベトナムまたはフィリピンにて出生した人であった。陽性者48名全員が検査結果の通知とカウンセリングを受け、39名(81%)が医療機関を紹介され、16名(33%)が初回診療を受けた。3拠点で計4,727名がHBsAg検査を受け、310名(6.6%)が陽性であった。陽性者の受診率は、コミュニティを拠点とした2プログラム(33%および56%)に比較し移民プログラム(91%)で有意に高かった。コミュニティ拠点の検査では、医療機関受診率を向上させる努力が必要である。
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