世界的メジナ虫症根絶への進展、2008年1月～2009年6月

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MMWR抄訳

2009/10/16Vol. 58 / No. 40

MMWR58(40):1095－1100
Progress Toward Global Eradication of Dracunculiasis, January 2008-June 2009

世界的メジナ虫症根絶への進展、2008年1月～2009年6月

メジナ虫症はDrancunculus medinensisによる感染症であり、その幼虫を含むよどんだ水源(池など)の水を飲むことによって感染する。World Health Assembly(WHA)がメジナ虫症(ギニア虫症)の根絶を決議した1986年には、アフリカとアジアの20ヶ国において毎年推定350万人が発症し、12,000万人が発症リスクを有していた。2004年、WHAは新たに2009年までの世界的メジナ虫症根絶プログラムの目標を設定し、その後世界的根絶に向けてかなり進展したが、その目標を達成することはできなかった。この報告は、2008年1月以降の世界的メジナ虫症根絶に向けた最新の進展状況を紹介したものである。2008年12月末の時点で、メジナ症が風土病となっている国は6ヶ国(エチオピア、ガーナ、マリ、ニジェール、ナイジェリア、スーダン)であった。土着患者数は2007年の9,585例から2008年には4,619例へと減少した(－52%)。2009年1月～6月に発症した 1,446例のうち1,413例(98%)はスーダンとガーナからの報告であった。スーダンでは2005年の内戦終了以降、Southern Sudan Guinea Worm Eradication Programが作成されており、患者数は2007年から2008年にかけて5,815例から3,618例へと減少し(－38%)、報告率も2007年の 70%から2008年には87%に改善した。ガーナにおける患者数は2007年の3,358例から2008年には501例へと減少した(－85%)。マリでは2007年の313例から2008年には417例に増加したが(＋33%)、安全性の改善と患者の封じ込めにより2009年1月～6月の患者数は 2008年の同時期に比べて90%減少した(それぞれ78例、8例)。エチオピアでは土着患者の報告が約20ヶ月間なかったが、2008年には37例の報告があった。ナイジェリアの患者数は2007年の73例から2008年には38例に(－48%)、ニジェールでは11例から2例に(－82%)減少した。現在、スーダンとマリにおけるメジナ虫症風土病地域における内戦や暴動が、世界的メジナ虫症根絶プログラム成功における最大の脅威となっている。

References

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