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MMWR抄訳

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2008/10/03Vol. 57 / No. 39

MMWR57(39):1076-1078
Rabies in a Dog Imported from Iraq - New Jersey, June 2008

イラクから輸入されたイヌにおける狂犬病-ニュージャージー、2008年6月

米国において狂犬病犬の数は1950年には約5000匹であったが、イヌからイヌへの狂犬病伝播に関連するイヌ狂犬病ウイルス変異株の根絶が宣言された 2006年には79匹に減少した。2008年6月18日、最近イラクから米国へ輸送された雑種犬がNew Jersey Department of Health and Senior ServicesのPublic Health and Environmental Laboratoriesで狂犬病と確定された。同時に輸送されその狂犬病犬に曝露された可能性のある全24匹の動物は16州に移動していた。この報告ではNew Jersey Department of Health and Senior ServicesとBergen County Department of Health、CDCによる疫学調査の結果をまとめ、その後の公衆衛生的対応について述べる。2008年6月5日、国際的動物救済活動の一環としてイラクから米国に24匹の犬と2匹の猫が輸送された。活動目的は、帰国した軍人とイラクで飼っていた動物を再会させることであった。1匹の猫が輸送中に神経症状を発症し、米国到着時に安楽死させられた。この猫からは狂犬病ウイルスは検出されなかった。残りの犬24匹と猫1匹は最終的な目的地へ向かう前に空港内で数日間飼育された。6月8日、1匹の雑種犬(犬A、11ヶ月)が発熱や下痢、興奮、足取りの不安定さ等の症状を示し、その後悪化して6月11日に安楽死させられた。6月18日に検体検査で狂犬病と診断された。犬や猫における狂犬病感染の可能性のある期間は臨床徴候発現の約10日前から死亡時までと考えられることから、イラク内、輸送中、空港で狂犬病ウイルスに曝露された可能性のある人間・動物に関する調査が開始された。米国到着時、犬24匹はCDC動物輸入規則にて入国時に必要とされている正当な狂犬病ワクチン証明書を持っていなかった。これら24匹中犬Aを含む21匹は5月28~31日にイラクで狂犬病ワクチンの接種を受けたが、生後3ヶ月以上の犬は米国到着日の最低30日前に狂犬病ワクチンを接種しなければならないと決められているため移動が制限され、6月10日に残りの犬23匹と猫1匹は16州に移動した。CDCは、それら動物で犬A曝露(可能性)前最低30日間にワクチン接種歴の確証がないことから、それら動物全てに対する迅速なワクチン接種と6ヶ月間の隔離を勧告した。また狂犬病曝露の可能性のある28名を調査し、犬Aの唾液に触れた13名に狂犬病曝露後予防(PEP)を勧めた。犬23匹と猫1匹はその後狂犬病の臨床徴候は報告されておらず、6ヶ月間の経過観察を持続中である。米国内の犬におけるイヌ狂犬病の再興および伝播持続を防ぐため、動物輸入中の狂犬病(およびその他の人獣共通伝染病)に対する警戒が必要である。

References

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