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MMWR抄訳

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2008/05/09Vol. 57 / No. 18

MMWR57(18):489-494
Progress Toward Interruption of Wild Poliovirus Transmission - Worldwide, January 2007-April 2008

野生型ポリオウイルス伝播阻止への進歩-世界的状況、2007年1月~2008年4月

1988年、World Health Assemblyはポリオ根絶を決議し、野生型ポリオウイルス(WPV)による症例数は1988年の約35万例から2006年には1,997例に減少し、WPVが伝播する国は125ヶ国から4ヶ国(アフガニスタン、インド、ナイジェリア、パキスタン)となり、さらに2型WPV(WPV2)は1999年10月以降、その循環を認めていない。2007年2月、WHOは2007~2008年にかけてポリオ根絶運動を強化し、その進行状況をモニターするマイルストーンを定め、3型WPVの前に1型WPV(WPV1)の伝播を根絶するため、1型1価経口ポリオワクチン(mOPV1)の利用を拡大し、3型1価OPV(mOPV3)は特定の領域で使用すると定めた。2006年、乳児における3価OPV(tOPV)3回接種率は80%(2001年:73%)となり、地域別では東南アジア:65%、アフリカ:75%、東地中海諸国:86%、西太平洋、ヨーロッパおよびアメリカでは93%以上となった。ポリオ流行国の接種率は、アフガニスタン:77%、インド:58%、ナイジェリア:61%、パキスタン:83%、特にナイジェリア北部およびインド北部の地域では40%未満であった。2007年に追加接種活動(SIA)が27ヶ国にて164回(うちインド:25、パキスタン:19、アフガニスタン/ナイジェリア:各16)実施され、5歳未満の小児4億人に、OPVが延べ23.2億回接種された。mOPV1の利用は2005年には22%であったが、2006年:46%、2007年:52%と普及が広がっている。15歳未満の急性弛緩性麻痺(AFP)症例はインドでの増加に伴い、2006年:68,519例、2007年:77,433例であったが、ポリオ流行国、ハイリスク国での目標症例数(15歳以下の非ポリオAFP症例:10万人あたり2例未満)は達成されている。2008年4月30日現在のポリオ症例は1,310例であり、1997年より約34%減少、WPV1は2006年1,666例から2007年321例と81%減少したが、WPV3は2006年331例、2008年989例と増加していた。国別では、インドではWPV1は2006年646例から2007年83例と87%の減少、WPV3は2006年28例から2007年787例と増加、ナイジェリアではWPV1は2006年843例から2007年116例と86%の減少、WPV3は2006年277例から2007年169例と39%の減少、パキスタンではWPV1は2006年20例から2007年19例、WPV3は2006年20例から2007年13例と35%の減少、アフガニスタンではWPV1は2006年29例から2007年6例と79%の減少、WPV3は2006年2例から2007年9例の増加であった。また、ポリオ根絶が達成された13ヶ国にて2006年輸入症例が報告され、うち6ヶ国(アンゴラ、チャド、コンゴ、ネパール、ニジェール、ソマリア)では2007年もポリオ症例が報告されている。

References

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  • CDC. Progress toward poliomyelitis eradication-Nigeria, 2005-2006. MMWR 2007;56:278-81.
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  • World Health Organization. WHO vaccine-preventable diseases monitoring system: 2007 global summary. Geneva, Switzerland: World Health Organization;2007. Available at <http://whqlibdoc.who.int/hq/2007/who_ivb_2007_eng.pdf>.
  • World Health Organization. Advisory committee on polio eradication-standing recommendations for responding to circulating polioviruses in polio-free areas. Wkly Epidemiol Rec 2005;80:330-1.
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