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MMWR抄訳

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2006/07/07Vol. 55 / No. 26

MMWR55(26): 721-724
Homicides and Suicides - National Violent Death Reporting System, United States, 2003-2004

殺人と自殺-National Violent Death Reporting System、米国、2003~2004年

2003年、米国において49,639人の命を奪った暴力死に対する防止は、公衆衛生の重要課題である。CDCは2003年に、暴力死の詳細な状況に関する情報を提供するために、National Violent Death Reporting System(NVDRS)を開始した。このシステムは、国、州、地方レベルでの防止策、計画、戦略を展開し、評価するために利用されている。またこの報告は、2003年にNVDRSに参加した7州(アラスカ州、メリーランド州、マサチューセッツ州、ニュージャージー州、オレゴン州、サウスカロライナ州、バージニア州)と、2004年に参加した6州(コロラド州、ジョージア州、ノースカロライナ州、オクラホマ州、ロードアイランド州、ウイスコンシン州)における暴力死の分析について述べている。殺人状況に関する情報によると、ほとんどの被害者は関わった容疑者を知っており、親しいパートナーとのいざこざが殺人の最も重要な原因であることがわかった。また自殺状況に関する情報は、精神衛生障害と親しいパートナーとの問題が重要な役割を持つことを示している。このことは、暴力防止プログラムの効果的立案と目標に対するNVDRSのデータの価値を強調することとなった。NVDRSは積極的な州別のサーベイランスシステムであり、殺人、自殺、意思不確定な死亡(入手可能な情報は、医学および法律の当局が、過失傷害や自傷あるいは暴行を区別するのに十分ではない)、法的介入の死亡(勤務中の警察官によって殺された人に関わる、等)、そして銃器での過失死亡、などに関する情報を収集し、暴力死を分析するために複数の資料(死亡証明書、検視官・監察医報告書、法律施行記録、鑑識課資料)を利用している。7州の2003年集計データは、2003年の米国人口の12.5%で、2003年の米国における自殺の11.2%、殺人の11.5%であった。2004年参加の13州は、2003年の米国人口の23.4%となり、2003年の米国における自殺の23.4%、殺人の22.6%であった。2005年6月までに、7州の2003年集計データでは7,732件の暴力死が報告され、13州の2004年集計データでは13,922件が報告された。7州の2003年と2004年の集計データによる年令調整自殺率は、2003年の9.7(10万人につき)から2004年の9.1へ減少した。2004年では、男性15.2で女性3.6の4倍以上であった。13州の2004年集計データについては、2004年の年令調整自殺率(10万人につき10.6)は、2004年National Vital Statistics System(NVSS)で米国全体に報告された予備調査率(10万人につき10.7)に近似していた。2003年と2004年の7州集計データにおける年令調整殺人率は、2003年に5.6、2004年は5.1であった。NVSSによる米国全体の2003年と2004年の割合は、6.1と5.6であった。7州における最高率(10万人につき12.4)は、15歳から24歳の間の犠牲者に報告された。2004年、男性の殺人率(10万人につき8.3)は女性の殺人率(2.5)の3.3倍であった。2004年におけるNVDRS参加13州の年令調整殺人率は5.4であった。

References

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