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MMWR抄訳

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2004/05/14Vol. 53 / No. 18

MMWR53(17):389-392
Outbreak of Varicella Among Vaccinated Children - Michigan, 2003

ワクチン接種を受けた小児における水痘のアウトブレイク-ミシガン,2003年

2003年11月18日、Oakland County Health DivisionはMichigan Department of Community Health(MDCH)に、ある小学校(幼稚園併設)における水痘のアウトブレイクを報告した。このアウトブレイクと水痘ワクチンの効果について調査し急進行する疾患(ワクチン接種から42日以上経過後発症する水痘)の危険因子を検討するため、12月11日にMDCHとオークランド郡の健康管理疫学者はCDCの技術的支援を受けてレトロスペクティブコホート研究を実施した。その小学校の生徒数は580名で、そのうち73名(12.6%)は疾患の定義(9月1日―12月19日に通学していた生徒における他の明らかな原因がない急性全身性斑丘疹状小水疱性皮疹)に一致した。患者は1年生と3年生に集中していた。学年別発症率は幼稚園5.6%(7例/125名)、1年生15.7%(21例/134名)、2年生6.7%(9例/134名)、3年生26.6%(29例/109名)であった。全生徒中554名について調査を行い、水痘既往歴のない507名中485名(95.7%)でワクチン接種が証明された。患者のうちワクチン接種者は症状がかなり軽かった。水痘ワクチンによる水痘予防効果は85%、中等度から重度の水痘予防効果は98%であった。ワクチン接種からアウトブレイクまでの期間が4年以上であった小児は、4年以内の小児より水痘罹患の危険性が約5倍高かった。このワクチン接種率の高い集団の中で水痘の伝播がほぼ1ヶ月間持続したのには、アウトブレイク発覚前の水痘と認識されない軽症患者が重要な役割を果たした可能性がある。水痘患者は、全ての病変が痂皮化あるいは消退するまで学校や保育所から除外されるべきであり、また水痘拡大予防のためには、医療提供者、学校管理者、親に対して症状が軽いワクチン接種患者の識別に関する情報を提供する必要がある。

References

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