低体温症関連死－アメリカ,2003年

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ホーム IMICライブラリ MMWR抄訳 2004年（Vol.53)低体温症関連死－アメリカ,2003年

MMWR抄訳

2004/03/05Vol. 53 / No. 8

MMWR53(8):172―173
Hypothermia-Related Deaths - United States, 2003

アメリカでは、低体温症(中心部体温が35℃未満に低下)により毎年約600例が死亡する。低体温症の疫学と病態生理を理解することは、低体温症関連死の予防に重要である。この報告では、2003年に起こった致死性低体温症3例を紹介し、2001年の寒冷曝露による死亡に関する全国統計を再検討し、低体温症の診断、治療、予防法について述べる。2003年秋、バーモント州では44歳男性がアルコール中毒の関与した低体温症のため死亡した。また同年春、バーモント州ではアルツハイマー病の76歳男性が寒く湿った環境が原因で低体温症となり死亡し、アラスカ州では2003年秋、35歳のハイカーが薬物およびアルコール中毒の関与した低体温症のため死亡した。アメリカでは、一部の集団(アルコール依存者、薬物使用者、高齢者、ホームレス、慢性疾患患者など)で低体温症による死亡リスクが増加している。2001年、アメリカ全体では599例が過度の寒冷への曝露により死亡した。これら死亡者のうち67%は男性、51%は65歳以上で、低体温症関連死のリスクは加齢とともに増加している。2001年における低体温症関連死の約71%は11月―2月に起こった。低体温症関連死の割合の最も高い州は、モンタナ州(1.44/10万人)、アラスカ州(1.42)、ニューメキシコ州(1.02)であった。過度の寒冷への曝露は体内の酵素活性を低下させ、致死性の横紋筋融解症や凝固障害、腎不全、律動異常などを引き起こす可能性がある。アルコール摂取、不適切な衣服は低体温症に関連する修正可能な要因である。低体温症の治療は支持的ケアにより中心部体温を正常化することが重要であり、重症度に応じて復温法を選択する。低体温症の予防には低体温症リスクの高い集団をターゲットとした対策が必要である。

References

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