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MMWR抄訳

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2017/01/06Vol. 65 / No. 52

MMWR65(52):1470-1473
Adverse Health Effects Associated with Living in a Former Methamphetamine Drug Laboratory — Victoria, Australia, 2015

かつてのメタンフェタミン薬製造所での居住に関連した健康への悪影響 ― ビクトリア州、オーストラリア、2015年

密造所におけるメタンフェタミンの製造は、住宅およびアパートメントを含め各地で行われている。化学薬品および薬剤のコントロールされた製造とは異なり、密造は広範な化学薬品の管理不良の貯蔵、使用、生成、廃棄をもたらすとともに、室内表面上にメタンフェタミン薬の残渣を堆積させる。通常、これらの曝露レベルは、関連する違法薬剤の使用または注意欠陥過多動性障害のような行動問題のためのアンフェタミンをベースとした薬剤の治療的使用に比べ低いと推測される。2015年にオーストラリアのビクトリア州において、一家が住居において無意識のうちにメタンフェタミン残渣に曝露し、健康に悪影響が認められた。一家が住んでいた住居では、2013年5月に警察が薬剤および製造装置を押収後、所有者を逮捕し、地方評議会に不動産物件がかつて薬物密造所で健康リスクを引き起こす可能性があることを通告した。地方評議会は不動産の浄化を通告したが実施されず、かつてメタンフェタミン製造所で浄化の通告がされていることが認識されないまま、2013年8月に販売された。2013年10月に新たな家族が入居したが、7カ月後の2014年5月に地方評議会が接触し、彼らの住居がかつて密造所であったことを報告した。2014年10月まで住居の環境試験を実施した結果、住居内表面のメタンフェタミン値は11.7-26.0μg/100cm2で、オーストラリアの住居内の安全基準値0.5μg/100cm2を上回った。一家は、2015年3月に住居からの退去を求められた。一家は成人2名と7歳、8歳、11歳の子供の5名で構成され、全員が健康への悪影響を経験した。特に、最年少(7歳)の少年では最も重症で、ぜんそく様症状、睡眠障害、挙動変化が報告された。すべての家族において、大半の健康問題は汚染された住居から引っ越し後6~12カ月後には解消した。すべての家族の退去後1週間の毛髪からはメタンフェタミン5~460pg/mgが検出され、年少の子供(7歳および8歳の少年)で特に増加し(各460pg/mg、330pg/mg)、アンフェタミンも検出された(各20pg/mg、16pg/mg)。退去後3カ月(2015年6月)の毛髪検査では、8歳の少年のみでメタンフェタミン60pg/mgが検出されたが、他の家族では検出されなかった。かつてメタンフェタミンの密造に使用されていた不動産物件が適切に浄化されていない場合、市民は無意識に薬剤残渣に曝露する可能性ある。未処理の住居の売却を防ぐために、当局による適切な認識および管理が健康への悪影響を避けるうえで重要である。

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