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MMWR抄訳

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2016/03/11Vol. 65 / No. 9

MMWR65(9):227-230
Evaluation of a National Call Center and a Local Alerts System for Detection of New Cases of Ebola Virus Disease — Guinea, 2014–2015

新規エボラウイルス病症例を発見するための国のコールセンターと地域の通報システムの評価 ― ギニア、2014~2015年

西アフリカでのエボラウイルス病(Ebola)の流行は2013年末にギニアで始まり、2014年8月8日にWHOは国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態を宣言した。2015年12月29日にギニアはEbola終息を宣言し、90日間のサーベイランス強化下にあり、その後の確診例は3,351例、可能性例は453例、死亡は2,536例であった。ギニアではEbolaの受動的サーベイランスは電話通報システムを介して実施され、地域メンバーおよび保健医療施設は死亡およびEbolaが疑われる症例を県の保健部門により運営される地域の通報番号または国のフリーダイヤルのコールセンターに報告した。さらに、国のコールセンターは、市民からのEbolaに関する質問に答えることによって、公衆衛生の情報源としての機能も果たした。2つのシステムの感度の評価および比較のために、CDCは国のコールセンターのデータベースと同様に、ウイルス性出血熱(VHF)データベース(既知のEbola確診例がすべて含まれる)と統合した県の通報データベースとの記録連動を実施した。2014年11月5日から2015年8月31日の間に、合計で国のコールセンター宛に185,437件の電話があり、このうち22,660件(12%)が通報電話で、その他の162,777件は主に公衆衛生情報に関する要望であった。データを喪失した5,351件を除いた17,309件を分析した。試験期間中、国のコールセンターとVHFデータベース間では1,778件のデータの一致を認め、このうち、71件は確診例であった。同時期のEbola確診は1,838例、コールセンターでのEbola発見の感度は3.9%(71/1838)であった。地域の通報データベースとVHFデータベース間の一致は5,006件で、120件が確診例であった。このうち、地域に報告された症例は113例、最初に国のコールセンターに報告されたのは7例で、同じ県および同時期のVHFから推定される発見の感度は、各51.1%、3.2%であった。国のコールセンターの県ごとに算出された感度の推定値は、首都のコナクリ(11.4%)で最も高かったが、他の地域では低かった。このことより、地域の公衆衛生インフラはEbola流行状態のサーベイランスにおいて、重要な役割を果たしたことが示された。

References

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