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MMWR抄訳

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2015/08/21Vol. 64 / No. 32

MMWR64(32):878-882
Progress Toward Poliomyelitis Eradication — Nigeria, January 2014–July 2015

急性灰白髄炎の根絶へ向けた進展 ― ナイジェリア、2014年1月~2015年7月

1988年に世界規模の急性灰白髄炎の根絶の取り組みが開始して以来、WHOの6つの地域のうち4地域でポリオフリーが認定されている。ナイジェリアはアフガニスタンおよびパキスタンとともに野生型ポリオウイルス(WPV)の感染が一度も遮断されていない国の一つで、2003~2013年には、ナイジェリア北部は既にポリオフリーとなった26カ国へのWPV再導入の原因となる病原菌を保有する地域となっている。2012年に、ナイジェリア政府はWPV伝染の遮断の取り組みを強化するために、全国的なポリオ根絶の緊急プランを開始した。三価経口ポリオウイルス・ワクチン(tOPV)を含むナイジェリアの定期予防接種は出生時、生後6週、10週、14週に実施されるが、WHOおよびUnited Nations Children’s Fundにより推定された2014年の生後12カ月未満の小児の3回のtOPVの接種率は66%であった。2015年2月に不活化ポリオワクチンが定期予防接種に導入され、7月現在、ナイジェリアの36州のうち35州および連邦首都圏で導入されている。これはtOPVから二価のOPV(bOPV)へ同時に切り換え前に、OPVを使用している全ての国において、2型ポリオウイルス(最も一般的なタイプのcVDPV)への免疫性を供給するための世界規模の計画の一部である。2014年1月~2015年に7月に、ナイジェリアでは追加予防接種活動(SIA)が実施され、cVDPV2出現のリスクが増加している一部の地方自治体はtOPVを使用したが、10件の地方SIAの大半はbOPVを使用した。ポリオの監視は検査室により支援された急性弛緩性麻痺(AFP)症例の検出および確認により行われ、AFP調査の質は、15歳未満の人口10万人あたり2例以上の非ポリオ性AFP(NPAFP)率およびAFP患者の80%以上で適切な便検体の採取を指標とした。2015年では、年間のNPAFP率は10万人あたり13例、AFP症例の適切な便検体の採取は99%であった。11のハイリスク州でもAFP監視の取り組みが改善し、政治的に不安定なボルノ州およびヨベ州の2015年のNPAFP率は10万人あたり各17.0例および27.7例であった。さらに、AFP調査は環境調査により補完され、2~4週ごとに下水からポリオウイルス検査のための検体を採取した。WPV症例は2014年では全体で6例が報告されたが、2015年においては1例も報告されていない。最新に報告されたWPVタイプ1型(WPV1)症例の麻痺症の発症は2014年6月24日であった。流行しているワクチン由来のcVDPV2の1症例のみが2015年に報告されているが、2014年の同じ時期の発生数は20症例であった。2015年1月から採集した16,617検体のうち、218検体が最終テストを終了していないが、ナイジェリアは2015年9月にWHOのポリオ風土病リストから削除される可能性がある。しかし、依然として政治的支援および活動プログラムの資金調達の持続、到達しづらい地域での集団免疫の高レベルの維持、北東部の安全性が脅かされている地域の小児へのアクセスをはじめとした課題が残っている。

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