ホームIMICライブラリMMWR抄訳2015年(Vol.64)最新情報:インフルエンザ活動性 ― アメリカ、20・・・
2015/03/06Vol. 64 / No. 8
MMWR64(8):206-212
Update: Influenza Activity — United States, September 28, 2014–February 21, 2015
2014~2015年期、アメリカにおけるインフルエンザは2014年11月半ばから増加し、2015年2月21日現在、活動性の高い状態を維持している。2014年9月28日~2015年2月21日、WHOおよび国内の共同研究室270カ所において呼吸器検体486,004件を検査し、98,680検体(20.3%)がインフルエンザ陽性であった。そのうち91,837検体(93.1%)がインフルエンザA型、6,843検体(6.9%)がB型であった。A型ウイルスのう43,288検体(47.1%)についてサブタイプを決定したところ、43,123検体(99.6%)がA (H3)ウイルス、165検体(0.4%)がA (H1N1)pdm09ウイルスであった。陽性率は2014年12月27日の週にピーク(31.8%)に達し、その後漸減し、2015年2月21日の週には12.1%となっている。抗原性の分析では、A (H1N1)pdm09ウイルスの100%、A (H3N2)ウイルスの30%、B型ウイルスはB/Yamagata系統(69%)の94%、B/Victoria系統の91%がそれぞれ2014-15北半球インフルエンザワクチン成分と類似した。A (H3N2)ウイルスの70%は2015南半球インフルエンザワクチン成分であるA/Switzerland/9715293/2013と類似した。薬剤感受性試験では、A (H3N2)ウイルス1,762検体、B型ウイルス217検体の全検体が検査薬剤(オセルタミビル、ザナミビル、ペラミビル)に感受性であった。A (H1N1)pdm09ウイルス32検体中1検体(3%)がオセルタミビル耐性を示し、ザナミビル耐性を検査した28検体はすべて感受性であった。期間中2例の新型ウイルスが報告され、1例はウィスコンシン州にてA (H3N2)変異型、1例はミネソタ州にてA (H1N1)変異型であり、いずれも豚との接触歴のある患者から分離された。患者は回復し、伝播例は報告されていない。インフルエンザ様疾患の外来受診者/週は1.2%~6.0%であり、2014年11月22日の週から2015年2月21日の週まで14週連続して全国基準値(2.0%)以上となっている。2014年10月1日からの検査室確定インフルエンザ関連入院者数は14,162例(10万人当たり51.7)であり、そのうち60%超が65歳以上の高齢者であった。10万人あたり累積入院率は、5歳未満: 45.7、5~17歳: 12.9、18~49歳: 15.0、50~64歳: 41.2、65歳以上: 258.0であった。過去3期(2011-12~2013-14期)における65歳以上の累積入院率は30.2~183.2であり、今期のインフルエンザは特に高齢者において重症化が認められた。肺炎およびインフルエンザ関連死亡率は5.0~9.3%であり、2015年1月3日~2月21日の週まで8週連続して流行閾値(7.2%)を超えた。小児の死亡例は92例であった。
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