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MMWR抄訳

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2011/08/12Vol. 60 / No. 31

MMWR60(31):1050-1052
Human Rabies from Exposure to a Vampire Bat in Mexico - Louisiana, 2010

メキシコでの吸血コウモリとの接触を原因としたヒト狂犬病-ルイジアナ、2010年

2010年8月、CDCは脳炎によりルイジアナ州の病院に入院した19歳男性の出稼ぎ農園労働者における狂犬病の発症を確認した。本症例は2010年7月29日にメキシコからルイジアナ州のサトウキビ農園に到着し、1日働いた後、7月30日に過重労働によると思われる全身疲労と左肩の痛み、左手のしびれ感が発現した。症状が持続したため地域の診療所を受診し、精密検査と治療のため8月3日にニューオーリンズの病院に搬送された。左肩の知覚過敏、左手の脱力、全身性無反射、左上眼瞼の下垂を認め、Miller-Fisher型急性炎症性脱髄性多発神経障害(Guillain-Barre症候群)などを疑いICUに入院した。支持療法にもかかわらず状態は悪化した。8月20日に患者の脳脊髄液と血清より狂犬病ウイルス特異的IgGgMが検出され、狂犬病と確定診断されたが、患者は8月21日に死亡した。8月22日の剖検時に採取した脳組織より吸血コウモリの狂犬病ウイルス抗原が検出された。母親によると、患者は7月15日にメキシコの自宅で就寝中コウモリに踵を咬まれたが、病院を受診せず、狂犬病のワクチンの接種歴もなかった。ルイジアナ州の農園で患者と接触した27名と患者のケアに関与した医療従事者68名に曝露後予防を行った。コウモリはアメリカにおけるヒト狂犬病の主要な感染源となっているが、本症例はアメリカで初めての吸血コウモリが媒介した狂犬病ウイルスの感染による死亡例である。急性進行性脳炎患者の診療時には鑑別診断に狂犬病を考慮し、早期の感染制御対策を実施する必要がある。

References

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