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カペシタビンによる白質脳症

2016年2月掲載

薬剤 カペシタビン腫瘍用薬
副作用 白質脳症
概要 50歳、女性。右潜在性乳癌のリンパ節転移と診断し、術前化学療法を施行した。右腋窩廓清施行後、腋窩再発のためカペシタビンの内服を開始した。内服開始6日後より体のだるさを訴え、8日後に呂律、発語の障害にて救急外来を受診した。臨床症状、画像所見より白質脳症と診断した。カペシタビンを中止したところ、呂律、発語はほぼ正常に戻っていた。

監修者コメント

5-フルオロウラシル(5-FU)のプロドラッグであるカペシタビン(ゼローダ®)は乳癌、大腸癌、胃癌の治療薬として使用されている。本文献では、カペシタビンによる稀な合併症として、白質脳症を発症した潜在性乳癌の一例を報告している。本症例では、内服開始後比較的早期に発症し、内服中止後早期に回復がみられている。白質脳症の初期症状として歩行障害、構音障害、意識障害などが認められることがあり、カペシタビンの投与中にこのような症状が現れた場合は速やかに投与を中止することが重要である。

著者(発表者)
松本明香ほか
所属施設名
公立藤岡総合病院外科ほか
表題(演題)
カペシタビンにより白質脳症をきたした潜在性乳癌の一例
雑誌名(学会名)
日本臨床外科学会雑誌 76(増刊) 1099 (2015.10)
第77回 日本臨床外科学会総会 (2015.11.26-28)

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