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ピリドキサールリン酸エステルによるCK上昇

2015年7月掲載

薬剤 ピリドキサールリン酸エステルビタミン剤
副作用 CK上昇
概要 23歳、男性。背部脂漏性皮膚炎に対してピリドキサールリン酸エステル、アスコルビン酸を内服していた。内服7日目より全身倦怠感、腓腹筋痙攣、両下肢の脱力が生じた。10日目に転倒し、口唇の擦過傷、歯冠破折を生じ、当院神経内科を受診した。採血でCK4233IU/Lの高度上昇とKの低値を認め、当院に入院した。ピリドキサールリン酸エステルによるCK上昇、低K血症ミオパチーと診断され、ピリドキサールリン酸エステルの内服を中止し、カリウム製剤の内服治療が開始された。入院5日目に全身状態が改善し、当科を受診した。歯冠破折による露髄を認め処置を行った。入院8日目にはCKの改善を認め退院した。

監修者コメント

ビタミンB6製剤であるピリドキサールリン酸エステル(リボビックス®)は、口唇・口内炎、口角炎等の治療に用いられている。本症例では、ピリドキサールリン酸エステルの投与により、高度のCK上昇、低K血症および全身倦怠感、腓腹筋痙攣、両下肢の脱力を認めている。本剤の添付文書にも重大な副作用として、CK上昇を伴う横紋筋融解症が記載されている。本剤は口内炎等の治療で広く用いられているビタミン剤であり、頻度は少ないものの、副作用としてCK上昇が生じる可能性に注意する必要がある。

著者(発表者)
櫻井博ほか
所属施設名
日本海総合病院歯科口腔外科ほか
表題(演題)
ピリドキサールリン酸エステルにより高度CK上昇をきたした1例
雑誌名(学会名)
第24回 日本有病者歯科医療学会総会・学術大会 プログラム・抄録集 136 (2015)
第24回 日本有病者歯科医療学会総会・学術大会 (2015.3.20-3.22)

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