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エルビテグラビル/コビシスタット/エムトリシタビン/テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩配合錠による横紋筋融解症

2015年2月掲載

薬剤 エルビテグラビル/コビシスタット/エムトリシタビン/テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩配合錠化学療法剤
副作用 横紋筋融解症
概要 30歳代、男性。HIV感染により5年前に当院受診後、無治療で経過観察していたが、CD4が徐々に低下してきたため、ABC/3TC+FPV/rにてcARTを開始した。cART開始後から嘔気、下痢が強く、服薬継続困難となったため、エルビテグラビル/コビシスタット/エムトリシタビン/テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩配合錠(SBT)へ変更した。変更後8週目にCPK 55,304U/L、CRE 0.98mg/dL、尿中β-microglobulin 14,002µg/Lと高値を示したためcARTを中止した。翌日、上腕の軽度筋肉痛を認め、褐色尿で尿中ミオグロビンが64.8ng/mLであったが、CK 37,686U/L、CRE 0.86mg/dLと改善傾向であった。cART中止後3週目にはCKなど検査値は正常化した。

監修者コメント

HIV感染症に対する治療薬の配合錠であるSTBは、1日1回1錠での治療が可能な内服薬である。本症例ではSTBの投与により横紋筋融解症を発症した。SBTのどの成分が被疑薬であるかは本報告では不明であるが、HIV感染者に対して本剤を投与する際には、横紋筋融解症の発症に注意しなければならない。

著者(発表者)
治田匡平ほか
所属施設名
奈良県立医科大学附属病院薬剤部ほか
表題(演題)
本邦初のTDF/FTC/EVG/COBI(STB)による横紋筋融解症が疑われた1例
雑誌名(学会名)
日本エイズ学会誌 16(4) 470 (2014.11)
第28回 日本エイズ学会学術集会・総会 (2014.12.3-5)

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