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トロンビンによるアナフィラキシー反応

2015年4月掲載

薬剤 トロンビン血液・体液用薬
副作用 アナフィラキシー反応
概要 63歳、男性。直腸癌にて外科的切除術、肺転移のため左肺上葉切除術が施行され、化学療法が施行されていた。その後、左主気管支浸潤が疑われ、気管支鏡検査を施行した。左主気管支に易出血性の腫瘍性病変を認め、トロンビン液を散布し検査を終了した。検査終了4分後に著明な発汗、呼吸困難、喘鳴を認め、SpO2が60%台まで低下した。アナフィラキシー反応が疑われ、ステロイドやエピネフリンを投与し、気管内挿管などにて救命し得た。

監修者コメント

トロンビン液は様々な領域で局所出血の際に止血目的で使用されている。本症例では直腸癌肺転移からの出血に対して気管支鏡下でトロンビン液を散布したところ、アナフィラキシー反応を呈した。トロンビン液散布時に発汗、呼吸困難、喘鳴などの異常所見を認めた場合には、アナフィラキシー反応も念頭において適切な処置を行う必要がある。

著者(発表者)
山本浩之ほか
所属施設名
長崎大学大学院呼吸器病態制御学講座(第二内科)
表題(演題)
気管支鏡検査においてトロンビン散布でアナフィラキシー反応を呈した1例
雑誌名(学会名)
気管支学 37(1) 44-47 (2015.1)

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