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ペグインターフェロンによる全身性エリテマトーデス

2015年3月掲載

薬剤 ペグインターフェロン生物学的製剤
副作用 全身性エリテマトーデス
概要 72歳、女性。慢性C型肝炎、HCV感染に伴う慢性腎炎症候群に対してペグインターフェロンα2a単剤治療を開始した。5週目でウイルス陰性化したが、48週投与終了後、関節痛や紅斑が出現。病理所見と臨床データを合わせ、全身性エリテマトーデス(SLE)と診断された。プレドニゾロンの内服を開始したが、腎機能障害の改善乏しく、ネフローゼ症候群を発症。タクロリムスを追加内服し、プレドニゾロンの減量をはかるも、浮腫の増悪を認めた。ミゾリビンを追加し、症状コントロールを行いながら継続治療中である。

監修者コメント

本症例では慢性C型肝炎に対してペグインターフェロン-α2a製剤(ペガシス®)による単剤治療を行ったところ、HCVは陰性化したものの、投与終了後にSLEを発症した。ペグインターフェロンの添付文書にも副作用としてSLEをはじめとする自己免疫性疾患の記載があるが、本症例のようにインターフェロン治療後にSLEを発症することは稀である。インターフェロン治療の際には治療中だけではなく、治療後もSLEなどの合併の可能性を考慮しながら経過観察を行う必要がある。

著者(発表者)
川口彩ほか
所属施設名
半田市立半田病院
表題(演題)
慢性C型肝炎にてPEG-IFNα治療を契機に全身性エリテマトーデスを発症した一例
雑誌名(学会名)
日本消化器病学会東海支部 第120回例会プログラム抄録集 109(2014)
第120回 日本消化器病学会東海支部例会 (2014.6.14)

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