インフルエンザワクチンによる多形紅斑、無菌性髄膜炎
2015年3月掲載
薬剤 | インフルエンザワクチン生物学的製剤 |
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副作用 | 多形紅斑、無菌性髄膜炎 |
概要 | 35歳、女性。インフルエンザHAワクチンを左上腕に接種。翌日より発熱、頭痛が出現。2日後より接種部、四肢、体幹に紅斑が出現し、7日後に当科受診した。ワクチン接種部に手拳大、四肢に小豆大から爪甲大の紅斑が散在した。紅斑は体幹にもみられ、激しい頭痛と項部強直を伴った。血液検査所見でWBC11,800/μL(好中球84%)、CRP20.29mg/dL、髄液検査所見では細胞数が123/μLであった。頭部MRI拡散強調画像で脳梁膨大部に拡散制限域を認めた。臨床所見、検査所見よりインフルエンザワクチンにより誘発された多形紅斑、無菌性髄膜炎と診断した。入院にて輸液を開始し、また、当初細菌性髄膜炎も疑ったことから抗菌薬投与を6日間行い、徐々に解熱し、紅斑と頭痛も軽快した。 |
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インフルエンザワクチンの接種により、これまでにも皮疹やギランバレー症候群などの副作用が報告されているが、本症例のように多形紅斑と無菌性髄膜炎を併発した例はこれまでに報告がなく、希少な症例といえる。インフルエンザワクチンの接種後に激しい頭痛や皮疹などを認めた場合は、副作用の可能性を考え、適切に対応する必要がある。
- 著者(発表者)
- 高橋道央ほか
- 所属施設名
- 東京医科歯科大学医学部皮膚科学教室
- 表題(演題)
- インフルエンザワクチン接種後、多形紅斑と無菌性髄膜炎を生じた症例
- 雑誌名(学会名)
- 皮膚病診療 36(12) 1149-1152 (2014.12)
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