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メチルプレドニゾロンによる腫瘍崩壊症候群

2015年2月掲載

薬剤 メチルプレドニゾロンホルモン剤(抗ホルモン剤を含む)
副作用 腫瘍崩壊症候群
概要 72歳、女性。胸腺腫摘除術を受けた後、左胸腔内に再発を認めたが、化学療法を拒否され経過観察を行っていた。約7年後に呼吸苦が出現し、左胸腔内再発病変の増大と左上葉無気肺、右胸腔内に被包化胸水、肺門、縦隔リンパ節の著明な増大、中枢気道の狭窄を認め緊急入院となった。通常の化学療法は困難であり、入院4日後からステロイドパルス療法(mPSL)を施行した。3日目には縦隔・左胸腔内腫瘤の縮小を認めたが、無尿状態となった。腎機能の急激な悪化及び高カリウム血症を認め、腫瘍崩壊症候群と診断、血液透析を開始した。その後徐々に腎機能が回復し、血液透析離脱、酸素投与も不要となり退院した。

監修者コメント

化学療法が困難な浸潤性胸腺腫に対して施行したステロイドパルス療法により腫瘍崩壊症候群を発症した一例である。胸腺腫に対してステロイドパルス療法を行う際には、頻度は少ないものの、腫瘍崩壊症候群を合併する可能性があり、注意する必要がある。

著者(発表者)
菊地柳太郎ほか
所属施設名
滋賀県立成人病センター呼吸器外科ほか
表題(演題)
ステロイドパルス療法により腫瘍崩壊症候群を来した浸潤性胸腺腫の1例
雑誌名(学会名)
肺癌 54(5) 606 (2014.10)
第55回 日本肺癌学会学術集会 (2014.11.14-16)

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