インスリングラルギンによる全身浮腫
2015年1月掲載
薬剤 | インスリングラルギンホルモン剤(抗ホルモン剤を含む) |
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副作用 | 全身浮腫 |
概要 | 25歳、女性。1型糖尿病に対してインスリンアスパルトにインスリングラルギンを併用した頃から四肢に浮腫が出現するようになった。次第に浮腫が著明となり、フロセミド内服を開始した。フロセミドにより浮腫の増強はなくなったが、自己中断したところ1か月で体重が10kg以上増加したため、当科入院となった。入院後もインスリングラルギンを継続し、浮腫に対してフロセミドを開始したが、著明な改善は認められなかった。病歴からインスリングラルギンによる浮腫が疑われたため、インスリングラルギンからインスリンデテミルに変更したところ、浮腫は速やかに改善し、フロセミド内服終了後も体重増加を認めなかった。 |
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時効型溶解インスリンアナログ製剤であるインスリングラルギン(ランタス®)は長時間にわたり作用が持続するインスリンとして糖尿病の治療に広く用いられている。本症例では1型糖尿病に対してインスリングラルギンの投与を開始したところ、全身の浮腫を認めるようになった。同じく時効型溶解インスリンアナログ製剤のインスリンデテミルに変更することで浮腫は消失しており、両者の基本構造や作用様式の違いがインスリン浮腫発症の成因になった可能性がある。頻度は少ないものの、インスリン治療開始後に浮腫などの副作用を生じた場合は製剤の変更を検討する必要がある。
- 著者(発表者)
- 細川友誠ほか
- 所属施設名
- 兵庫県立尼崎病院糖尿病・内分泌内科
- 表題(演題)
- インスリングラルギン使用後全身浮腫が出現した1型糖尿病の一例
- 雑誌名(学会名)
- 日本内分泌学会雑誌 90(S-Update) 91-92 (2014.9)
第23回 臨床内分泌代謝Update (2014.1.24-25)
監修者コメント