インスリンによる皮下石灰化
2013年1月掲載
薬剤 | インスリンホルモン剤(抗ホルモン剤を含む) |
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副作用 | 皮下石灰化 |
概要 | 68歳、女性。1型糖尿病のため44年間インスリンの頻回注射を行っている。血糖不安定(日内変動最低50mg/dL以下、最高600mg/dL以上)で入院した際、両大腿部に10×6cmの無痛性硬結膨隆を認め、右大腿膨隆中央部皮下に13×6mmの石灰化をUS、レ線およびCTで確認した。注射部位のローテイションを励行していなかったため右大腿への注射がもっとも頻回だった。膨隆部をさけるようにインスリン注射をローテーションで実施させた結果、血糖の安定(日内変動最低60mg/dL、最高272mg/dL)が得られた。 |
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報告者は、注射部位のローテーションの確認が重要と強調している。なお、本剤の添付文書によれば、適用上の注意として、「投与部位を決め、その中で注射場所を毎回変えること。前回の注射場所より2~3cm離して注射すること。」としており、また、その他の副作用の項では、「注射部位の疼痛、発赤、腫脹、硬結、リポディストロフィー(皮下脂肪の萎縮・肥厚)等」が記載されている。
- 著者(発表者)
- 舩瀬芳子ほか
- 所属施設名
- 社会医療法人慈泉会相澤病院糖尿病センターほか
- 表題(演題)
- インスリン頻回注射による皮下石灰化を来した1型糖尿病患者
- 雑誌名(学会名)
- 糖尿病 55(S-1) S229 (2012.4)
第55回 日本糖尿病学会年次学術集会 (2012.5.17-19)
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