インフルエンザワクチンによるギランバレー症候群
2014年11月掲載
薬剤 | インフルエンザワクチン生物学的製剤 |
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副作用 | ギランバレー症候群 |
概要 | 30歳、女性。自然妊娠成立、経過は順調であった。32週でインフルエンザワクチン接種。35週頃より感冒症状あり。その後、顔面、四肢の痺れ、歩行障害が出現。ワクチン接種歴、亜急性に進行する手袋靴下型の異常感覚と四肢筋力低下、神経学的所見よりギランバレー症候群疑いにて当院神経内科入院。発症7日目よりγグロブリン大量投与開始。発症11日目に症状のピークを認め、発症15日目より症状改善あり。発症24日目、39週4日に破水後陣痛発来となり経腟分娩にて女児出産。産褥経過は良好で、発症54日目に退院となった。 |
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本症例はインフルエンザワクチンによりギランバレー症候群を発症した妊婦の一例である。γグロブリン大量投与により軽快し、母児ともに無事退院となった。ワクチン接種によるギランバレー症候群の合併が報告されているが、妊婦が発症した症例は非常に稀である。妊婦に対してワクチンを接種する場合、頻度は極めて少ないものの、ギランバレー症候群を発症する可能性も念頭に置く必要がある。
- 著者(発表者)
- 杉原弥香ほか
- 所属施設名
- 川崎医科大学附属病院産婦人科
- 表題(演題)
- インフルエンザワクチンによりギランバレー症候群を発症した妊婦の一例
- 雑誌名(学会名)
- 現代産婦人科 63(S) S54-S55 (2014)
第67回 中国四国産科婦人科学会総会ならびに学術講演会 (2014.9.13-14)
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